| ホーム |     私の電子工作作品集

185. TMS1121 デジタルタイマー・シミュレータ II

[ 初公開日:2020年7月24日 ]

 ページ "181. TMS1121 デジタルタイマー・シミュレータ" を公開してから、早くも1年が経とうとしていますが、お陰様で地道ながらもご好評を頂いております。 誠にありがとうございます。

 しかしながら、先に公開をした "181. TMS1121 デジタルタイマー・シミュレータ" では、"088. TI社 TMS1121 デジタルタイマー II" からの借りものであるプリント基板2枚を再利用しての、 全体を構成させたものであったために、不要な回路も含まれていたりして、結果、ハードウエアとしての再現性には今一難があったのでは、と思われます。  そこで、前作の "181. TMS1121 デジタルタイマー・シミュレータ" では3枚のプリント基板の構成であったものを、不要な回路や基板間のコネクタを取り除いて、独立した1枚のプリント基板だけで作製ができるように改めたものが、今回、ここにご紹介をする "185. TMS1121 デジタルタイマー・シミュレータ II" です。

 したがって、本機 "シミュレータ II" ではハードウエア(プリント基板)の改良に重きを置いてはいますが、プログラムにも拡張機能としての新たな機能を追加してみました。

■ 回路図 ■

| 回路図 (TMS1121_SimulatorII.CE3) |

 まずは、前作の "181. TMS1121 デジタルタイマー・シミュレータ" で示した 回路図 と比べて見てください。 "088. TI社 TMS1121 デジタルタイマー II" の名残りである、ロジックICによるアラーム回路を取り除いたことによって、 随分とすっきりしました。 "シミュレータ" ではこれらのアラーム回路は不要で、拡張機能の一部として PIC 内で作り出しています。

 電源回路についても TMS1121 ICで必要であった 9V 電源は不要なため、直接 5V を得るようにしています。 ちなみに、電源トランスの 6.3V は昔の真空管時代のヒータ用と思われますが、手持ちにあったためにそれを使用することにしました。 本機では計時用のクロックパルスに、商用AC電源を降圧したものを使用するため、このような電源トランスが必要です。

 また、4回路ある SW 出力については、リレー駆動用のトランジスタには前作と同様に 2SC509Y を使用していますが、このトランジスタはかなり古いもので、初代 "x09.TI社 TMS1121 デジタルタイマー" を作製時に購入したもので、 未だ残りがたくさんあるために使用をしました。 この型番に拘らず同程度の I C が流せるものを使用してください。

 使用したリレーについては、1枚の同じプリント基板上に載せたかったために、本機では小型リレーを使用しています。 また、本回路ではリレーの ON/OFF 状態が一目で分かるように、モニタ用の LED を追加しておきました。 上回路図には、電流制限抵抗が 560Ωになっていますが、高輝度 LED を使用していることと、他の LED と違ってスタティック点灯であることもあって、実際に点灯させたときにかなり眩しかったため、現在では 2KΩに付け替えてあります。 (実測値: 560Ωのとき ≒ 5.64mA、1KΩのとき ≒ 3.21mA、2KΩのとき ≒ 1.63mA)

<参考> 商用AC電源を制御する場合の例

 本機で実際に商用AC電源を制御するような場合には、上図の小型リレーのままでは少々役不足で、次図の例のように、外部にもう一段パワーリレーの追加が必要になるでしょう。

 そのために、 パワーリレーの駆動用の電源(下図において赤色ターミナル)が必要ですが、プリント基板パターン図 (部品面) には、その取り出し用のターミナルが考慮されていませんので、各自において適宜追加しておくようにしてください。 電源トランスについても、下図の例のように上図のものより、もう少しパワーアップが必要になるでしょう。

| 回路図 (SimulatorII_Power2.CE3) | ページトップ |

■ ケース外観の様子 ■

本機を正面の斜め上から見たところ 本機を背面の斜め上から見たところ
本機を左側面の斜め上から見たところ 本機を右側面の斜め上から見たところ
左側面を見たところ 本機を上面の真上から見たところ 本機を裏面の真上から見たところ
本機ケースの蓋を開けて真上から見たところ

| ページトップ |

■ 操作方法 ■

先に紹介をした "x09. TI社 TMS1121 デジタルタイマー" や "181. TMS1121 デジタルタイマー・シミュレータ" の操作方法とは、拡張機能の追加などを含めて一部異なっている部分があるため、 重複する部分も多いのですが、本機 "シミュレータ" のまとめとして再掲をします。

(注意)  この項の説明をご覧になるためには、ブラウザの横幅サイズを十分大きく取ってください。 サイズが不十分な場合には、思わぬところで改行されて正確な表示が行われません。
 ↑↑ 上の(注意)の文章が、改行されずに1行で表示される程度以上の、横幅サイズが必要です。↑↑

 < 目 次 >
電源の投入
時刻の設定
タイマーの設定 (定時プログラム)
インターバル・タイマーの設定 (間隔プログラム)
ダイレクト・コントロール (直接制御)
メモリ内容のスイッチ別表示
メモリ内容の曜日別表示
メモリ内容のスイッチ別消去
メモリ内容の曜日別消去
メモリ内容の全消去
キー操作の訂正
LED のエラー表示

 拡張機能の追加
コロン [COL] LED のブリンク表示
時計機能の 24 時間表示
メモリ内容の全消去(操作方法と機能の変更)
ON 動作中のすべてのスイッチを一度に OFF にする
メモリ内容のすべての内容表示
アラーム音(ブザー音)の出力
カレンダー機能
拡張機能が有効時の時刻の設定

本機 "シミュレータ" の拡張機能

 EXT ジャンパースイッチ を ON に設定をすると拡張機能が有効となり、オリジナルの TMS1121 にはない本機 "シミュレータ" 独自の幾つかの機能を追加させることができる。

| ページトップ |

■ プログラム ■

 米TI(テキサス・インスツルメント)社の 4ビットマイコン時計用 LSI "TMS1121NLL" を、PICを使用して私が如何にしてシミュレートしたか、その考え方、方法については、前作 "181. TMS1121 デジタルタイマー・シミュレータ" の プログラム の項で詳細に述べていますので、是非とも、そちらをご覧になってみてください。

前作からの変更点

 前作 "181. TMS1121 デジタルタイマー・シミュレータ" では、EXT ジャンパースイッチが OFF のときに、NOR/BLK ジャンパースイッチを BLK にした場合には、[COL] LED が消灯してしまうという不都合が起こるのを、プログラムの修正で BLK のときにも点灯をするようにしました。 (NOR にした場合にはハードウエアで点灯)

 また、EXT ジャンパースイッチが ON で拡張機能が有効なときの、通常のコロン [COL] LED のブリンク表示の周期が、前作では 0.5 秒間を "点"、次の 0.5 秒間を "滅" の1秒周期であったものを、本機 "シミュレータ II" では、1秒間を "点"、次の 1秒間を "滅" の、 2秒周期に改めました。 前者の1秒周期では、見ている者(私)がかなり煩わしく感じられるため、変更をしました。 その結果、ゆっくりとブリンクをするようになって、余り煩わしさは感じなくなりました。

 したがって本機 "シミュレータ II" では、EXT ジャンパースイッチが ON のときにも OFF のときにも、NOR/BLK ジャンパースイッチを NOR にする必要がなくなって、NOR/BLK ジャンパースイッチそのものの存在が不要となったために、回路から無くすことにしました。 ( 参考: 変更前の回路図、パターン図

 その他、次の新拡張機能を追加したことによって、コロン [COL] LED を他目的のためにも制御をしていますが、前作の "シミュレータ" を使用して以上のような各種の制御をコロン [COL] LED に反映させるためには、すべてのときに NOR/BLK ジャンパースイッチを BLK にしておく必要があります。

 プリント基板パターン図 で示した写真には、ハードウエアが先行でプリント基板が完成(写真撮影)後にプログラムと回路図の変更を行ったため、NOR/BLK ジャンパースイッチが存在していますが、実際に作製するときには 回路図 やパターン図に示すように、NOR/BLK ジャンパースイッチは不要なので無くすようにしてください。

新拡張機能としてカレンダー機能の追加

 過日、前作 "181. TMS1121 デジタルタイマー・シミュレータ" のページをご覧になった方から、「カレンダー機能があるといいんじゃないか」というご意見をいただきました。 そこで、ハードウエアを一新したのを機に、本機 "シミュレータ II" で新拡張機能として実現をさせることにしました。 もちろん、前作においても PIC内のプログラムを Ver. 1.30 に入れ替えるだけで、同機能を追加することができます。 (今後も、プログラムの更新をしたような場合には、この "シミュレータ II" のページで公開をします。 前作のページでは行いません。)

 このカレンダー機能の追加でどのようなことができるようになったのか、については上述の 操作方法 内の カレンダー機能、および 拡張機能が有効時の時刻の設定 の項で詳細に述べているので、 そちらを参照してください。

 拡張機能が有効時の時刻の設定は、従来の 時刻の設定 方法では曜日の管理に矛盾を生じてしまうために、新たに設けた(変更をした機能)方法で行い、拡張機能が無効時のオリジナル機能時には、従来の時刻の設定方法で行います。 両者の方法の違いは、設定のときに曜日も含めるかどうかの違いだけです。

現在の最新バージョン: Ver. 1.30 ( 2020/7/24 更新 )  Ver. 1.31 ( 2021/5/19 更新 )

 今回の更新では機能の追加等の変更はありません。 更新前のプログラムは間違いではないのですが、私の思い違いからバンクの扱いが(他の方が見て)、まわりくどくて分かり辛いものになっていたのを改めました。 以前からずっと気にはなっていたのですが、 今までなかなか修正をすることができないでいたものです。

ソースファイル (TMS1121_SimulatorII.asm)
HEX ファイル (TMS1121_SimulatorII.hex)

| ページトップ |

■ 部品配置図 ■

 使用したプリント基板は、"サンハヤト" の "ICB-97(138 x 95 mm)" ガラスエポキシ片面ユニバーサル基板です。

| プリント基板部品配置図 (TMS1121_SimulatorIIPC0.CE3) | ページトップ |

■ プリント基板パターン図 (部品面) ■

(ヒント) 本機のように、たくさんのLEDを一列にプリント基板に取り付けるような場合に、それらを直に取り付けるのではなく、間にスペーサーを挟んで取り付けると、すべてのLEDの高さを一定に揃えることができます。 ただ、専用のスペーサーは高価なので、私はピンヘッダのピンを抜いた残りの黒色樹脂の部分を、LED数に応じて適度な長さにカットしたものを利用しています。

プログラム の項で述べたように、前作の "シミュレータ" に比べて NOR/BLK ジャンパースイッチ(と 470 Ωの抵抗)が不要になりました。 先行でプリント基板の完成後に写真撮影を行い、 その後プログラムの変更とパターン図の修正を行ったために、右下に示す写真には NOR/BLK ジャンパースイッチと抵抗が存在していますが、左下に示すパターン図が正解です。

ただし、右下の写真のように NOR/BLK ジャンパースイッチが存在していても、常に BLK に設定しておけば何の問題もありませんが。( 参考: 変更前の回路図、パターン図

| プリント基板パターン図 (部品面) (TMS1121_SimulatorIIPC.CE3) | ページトップ |

■ プリント基板パターン図 (ハンダ面) ■

| プリント基板パターン図 (ハンダ面) (TMS1121_SimulatorIIPC1.CE3) | ページトップ |

■ プリント基板上のワイヤー配線 ■

 最近(といっても、15 〜 6 年以上も前から)私が作製するプリント基板は、エッチングなどを施した専用のプリント基板を作製するのではなく、本機に限らずそれらのすべてがユニバーサル基板を使用して、ワイヤー配線で回路を構成させています。 そして、私が使用しているワイヤーは、ホームページの番外編で紹介をしている "8080A CPU コンピュータシステム" を作製していた 1980 年頃の大昔に、"秋月電子" である量をまとめて購入をしたもので、ワイヤーサイズが AWG#30 (0.26mm) の単線でラッピング用のものです。

 私はこのワイヤーをかなり気に入っていて、この 15 〜 6 年以上もの間、プリント基板の配線用に使い続けてきました。 しかし、購入をしたのは大昔のことで、現在の "秋月電子" では取り扱ってはいないようです。 また、メーカーも分かりませんが、 でも、潤工社のジュンフロン線とは違うようです。

 このラッピング用ワイヤーを使用して、プリント基板上の各パーツ間の配線をするのですが、もちろん、ラッピング配線ではなく、通常ははんだ付けをして接続をしています。 このワイヤーを使用することの最大のメリットは、ワイヤーサイズが AWG#30 (0.26mm) とかなり細いこともあって、 上の プリント基板(部品面) の写真 のように、配線量が比較的多いにもかかわらず、随分すっきりとまとめることができることです。

 本機のプリント基板の場合には、7セグメントLED の下やたくさんのタクトスイッチの下位置に、ワイヤーを通して半ば隠している?ことも一因ですが、これもワイヤーが細いからこそできる業だと思います。 このラッピング用ワイヤーを使用するようになった以前には、 細いビニール線を使用したこともありましたが、ラッピング用ワイヤーほど細くないため、ここまですっきりとはまとめることはできません。 (ビニール線の例.先のコンピュータシステムの 8 Kbyte Ram 基板 ←対→ ラッピング用ワイヤーの例.16 Kbyte Rom 基板 等)

 また、はんだ付けの手間(効率)の面からも、通常のビニール線は単線ではなく、ごく細い数本の複線で構成されているために、被覆を剥いた後に複線を指先で撚って、かつ、その線がバラけないように予備はんだの処理をしておく必要があります。 付け線の数が多くなればこれらの予備はんだの処理も多くなって、それだけでもめげてしまいそうになります。 これに対して、単線のラッピング用ワイヤーでは、単純に被覆を剥く作業だけで良く、これも大きなメリットに挙げられるでしょう。

 話は少々それますが、本機のプリント基板のように、最近の製作物に使用のワイヤーの色が奇抜?になったのにはわけがあるのです。 以前には、白色や黄色のあまり目立たないような色のワイヤーを使用していたのですが、それらの色のワイヤーがだんだんと底をつき始めたため、 仕方なく本機では赤色を使用しました。

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 さて、プリント基板上のワイヤー配線をするにあたっての、私の基本的な考え方、方法(テクニック)を次から述べて行きます。 まず初めに、ワイヤーの引き回しはやむを得ないような例外的な場合を除いて、すべてプリント基板の部品面側で行います。 裏側のハンダ面は、文字通りはんだ付けをするだけの面に徹するようにします。 やむを得ないような例外的な場合とは、例えば下の右写真のようにワイヤーを途中からハンダ面に取り出さないと、はんだ付けをすることができない、というような場合です。


 次の写真は、手巻きのワイヤーラッピングをするための工具で、ワイヤーサイズ AWG#30 (0.26mm) 専用のものです。 左側部分でラッピングをし、右側部分はアンラップをするときに用い、また、真ん中の部分がワイヤーの被覆を剥くためのストリッパーです。 40 年も以前の大昔に、ラッピング用ワイヤーとともに "秋月電子" で購入したもので、今では被覆を剥くためだけに私が愛用をしている工具です。

 真ん中の小さな穴の下位置からワイヤーを上方向に通し、次に楔(くさび)状のところで剥き代を残して右側に移動しワイヤーを固定させます。 後はワイヤーを下方向に引っ張ると、いとも簡単に被覆を剥くことができます。 実際には、左手でワイヤーをしっかり固定しておいて、 右手に持った工具を上方向に引っ張り上げるのですが。


 次に示す写真は、ワイヤーを目的のピン等にはんだ付けをするときに、その直前で行うワイヤーの取り付け方に対する、基本的な注意すべき事項で、左側のプリント基板の部品面では、(2) のようにワイヤーの芯線が部品面上で露出することがないようにしないと、 ワイヤー数が混み入ったときに、ワイヤー同士でショートする原因にもなりかねません。

 また、右側のハンダ面では、(3) のようにワイヤーの被覆がハンダ面より上に露出をしていると、その後のはんだ付けのときに、露出をしている被覆がはんだをはじいて、うまくランドに乗らなくなります。 またこの例では、芯線が長過ぎて下のランドとショートをしてしまうため、 (1) のようにはんだ付け対象のランド内に収まるように、余長をニッパーでカットをします。 この後ははんだ付けをするのですから、芯線を巻きつけなくても写真のようにU字でピンを折り返すだけで十分で、ピンが通っているランドとワイヤーを通したランドの2つがはんだ付けの対象です。

 一般的なプリント基板の厚さは 1.6 mm ですが、ワイヤーを穴に通したときに剥いた残りの被覆と芯線との境界が、この基板の厚さ 1.6 mm の中に納まるようにするだけですから、それほど難しいことではないと思います。 これが基本中の基本で常に守り通すことです。 部品面の (2) やハンダ面の (2)、(3) のようになったときには、面倒と思わずにやり直すことが重要です。

(1)良い
(2)部品面上で芯線が露出している
(3)良い
(1)良い
(2)芯線が短い
(3)ハンダ面上に被覆が出ている、芯線が長過ぎる

 本機の プリント基板の写真 に示した中で、ワイヤー配線をするにあたって最も難関と思われるのは、たくさんのタクトスイッチの下位置にワイヤーを通して配線をする辺りでしょうか。 かなりの量のワイヤーが密集するので、 不慣れな方には少々手こずるかもしれません。 7セグLEDの下位置にも同様にワイヤーを通して配線をしますが、こちらはそれほどワイヤーが密集しないので、比較的楽に配線作業をすることができると思います。

 言い遅れましたが、これらの配線は7セグLEDやタクトスイッチを、プリント基板上に取り付ける前に行っておかなければなりません。 7セグLEDの下位置の配線では先にワイヤー配線が必要なことが、一目見れば分かると思います。 タクトスイッチの場合も同様で先にワイヤー配線を行わないと、タクトスイッチの下の空間が狭いため、後からでは数本のワイヤーであれば通すことも可能ですが、本機のようにたくさんのワイヤーを密集させることはできません。

 また、これらの先に行うワイヤー配線ですが、タクトスイッチ等をプリント基板上に取り付ける前に行うわけですから、その段階ではまだピンにはんだ付けをすることができないため、ワイヤーを通した穴のランドとワイヤーとを 一時的に仮はんだをしておきます。 そして、この仮はんだをするときの注意として、はんだの量は極力少なく(微量)にすることで、ワイヤーが所定の穴位置から移動してしまうのを防止することを目的とします。

 下に示す図は、上に示した プリント基板パターン図 (部品面) から、タクトスイッチのワイヤー配線に関する部分を切り取ったものに、KA、KF、KG の3種を例として、ワイヤー配線(緑色の線)を付け加えた図です。 (クリックすると拡大します)


 上述のワイヤーの取り付け方の説明で示した写真のプリント基板は、"秋月電子" のものでプリント基板の1つの穴には、3本のワイヤーまで通すことが可能ですが、本機で使用したプリント基板は "サンハヤト" の "ICB-97" で、 穴径が少々小さく2本のワイヤー(被覆の外周径)しか通すことができません。

 したがって、上図のように同じ信号同士のタクトスイッチをワイヤーで配線を行う場合には、図に示したように基本的に一筆書きのように行うと、1つの穴には2本のワイヤーで済ますことができます。 ただ、私は左図のように配線をしてしまったため、 写真でも分かるように2段目のタクトスイッチ下の配線量が多くなって、ひどく密集してしまい配線作業がかなり難しい状態でした。

 その解決策が右図で、このように配線を行えば2段目のタクトスイッチ下の配線量が半分に減って、配線作業もそれほど難しくはなくなります。

| ページトップ |

■ ケース加工図 ■

 使用したケースは、100均で購入した "はがきケース (L-8821) サナダ精工株式会社" ポリプロピレンケースです。

 今回の製作ではケース外との接続は、リレー接点の取り出しは止めて AC 6.3V の電源線のみとし、そのコネクタには 2.1ΦDCジャック を使用しました(左側面図の丸穴)。

| ケース加工図 (TMS1121_SimulatorII.CE3) | ページトップ |

■ 本機の電源 ■

 本機では 回路図 の下の説明で述べたように、手持ちにあった 6.3V の電源トランスを使用していますが、前項の ケース加工図 で示した同一のケース内には、スペースがないため収容することはできません。 そこで次の写真のような別ケースに収めて電源アダプタという形にまとめました。 といっても、トランスの他にはヒューズしか入っていませんが。

 なるべくコンパクトなものにしたかったため、100 均でケースになりそうなものをいろいろと探したところ、次の写真のような円形のタッパーを見つけました。 当初は、四角形のものに拘って探していたのですが、サイズ的に見合ったものがなかなか見つからず、 ふっと目に入ったものが円形の手頃サイズのタッパーで、この形も面白いのでは ・・・ と思い直し決定をしました。
(ポリプロピレンケース: "ナカヤ化学産業" しっかりパックF 3個組 Φ85 x 48H mm)

 ヒューズホルダを、当初、電源トランスの端子が出ている側に配置してみたのですが、ケース内が狭くてトランスの端子とぶつかるために、写真のような反対側の配置となりました。 このヒューズホルダは、プリント基板の端材とヒューズ受け口金具を使用した、私の手作りのものです。

 このアダプタの出力として AC 6.3V を取り出すのですが、そのコネクタには本体ケース側のコネクタに合わせて、2.1ΦDCプラグを使用しました。 また、コードも外皮が丸型のものに拘って手持ちにあったシールド線を使用しています。 これらのコネクタやシールド線の使用は、本来の使用方法とは異なっていますが、それが良いのか悪いのかはよく分かりません。 DC 5V に変換後の消費電流は、4個のリレーが同時に動作したときが最大で、約 30 mA x 4 = 約 120 mA + α 程度ですから、たぶん? 問題はないものと思います。

電源アダプタの全体像を見たところ 手作りのヒューズホルダ
上側から見たところ 斜め上から見たところ (1) 下側から見たところ 斜め上から見たところ (2)

| ページトップ |

■ 使用部品表 ■

(主要部品: IC, トランジスタ等)

(データシート)
PICマイコン .................... PIC16F886
三端子レギュレータ .................... TA7805S
トランジスタアレイ .................... TD62003AP
トランジスタ .................... 2SC509
トランジスタ .................... 2SC1815
ダイオード .................... 1N4148
7セグメントLED .................... C-551SRD

| 部品表 | Excel ファイル (TMS1121_SimulatorII_parts.xls) | ページトップ |

■ 参考(関連)ページ ■

181. TMS1121 デジタルタイマー・シミュレータ ..... http://xyama.sakura.ne.jp/hp/TMS1121_Simulator.html
088. TI社 TMS1121 デジタルタイマー II ..... http://xyama.sakura.ne.jp/hp/TI_TMS1121_DegitalTimerII.html
x09. TI社 TMS1121 デジタルタイマー ..... http://xyama.sakura.ne.jp/hp/TI_TMS1121_DegitalTimer.html

| ページトップ | ホーム |


Copyright (C) 2020-2023 やまもとみのる
初版:2020年6月16日、初公開:2020年7月24日、最終更新:2023年10月27日