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[ 初公開日:2020年1月12日 ] |
私の過去に製作をした作品群の中で、少しばかり変わり種のものを見つけたので、ここに紹介をすることにしました。 これまでにいろいろと製作をしてきたデジタル時計では、時刻表示には、7セグメントLEDを代表として、ドットマトリクスLED、キャラクターまたはグラフィックの各液晶モジュール、ニキシー管など、 それらのすべてが視覚に訴えるものばかりで、補助的にアラーム(ビープ)音を併用していました。 それらに対して、このページで紹介をするものは視覚ではなく、時刻そのものを音声による聴覚によって知らせる、というユニークなものです。 |
音声(お喋り)時計(PIC16F877A 版) |
音声(お喋り)時計 II(PIC16F873A 版) |
このクロックは 2008 年 5 月頃に製作をしたもので、私のオリジナルではなく、サイト "電子マスカット"
さんで紹介されている PIC16F877A を使用した "音声告知クロック" で、回路構成やプログラムも殆んどオリジナルのままに製作をしています。 なお、音声データ用の EEPROM(AT24C1024)がなぜか紛失してしまいました。 私が所有するPICライタやパソコン環境が本機の作製当時とはすっかり変わってしまったため、現在では自前で音声データを EEPROM に書き込むことができなくなってしまいました。 しかし、"電子マスカット" さんのページに EEPROM の書き込みをしていただける旨が書かれていたので、お願いをして書き込んで頂きました。 ありがとうございました。 |
上で述べているように、回路構成は殆んどオリジナルのままですが、回路図は私自身が分かり易くなるように回路定数等を図中に書き入れて、全体を私流?に書き改めてあります。
唯一異なっているのは、音声用アンプの電源が ON になったことを目で確認ができるように、LEDとその電流制限抵抗を追加した点のみでしょうか。 |
| 回路図 (VoiceClock.CE3) | ページトップ |
上回路図で左上に位置する AT24C1024 が1メガビットの I2C-EEPROM で、本機においてはなくてはならない ある意味最も重要なデバイスです。 ROM 内にはスピーカーで喋るための
音声データが書き込まれており、本機で時刻を告げるために必要となる各フレーズが、下表に示すように 32 種類に分割してデジタル信号として格納されています。 PICとはそのときに必要となるフレーズが、I2C 通信を行いながらPIC内に読み出されて、デジタル−アナログ変換、電力増幅を経てスピーカーから出力されます。
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プログラムのソースファイルについても上の回路図と同様に、私自身が分かり易くなるようにと、オリジナルから私の書き方スタイルに書き換えてありますが、
基本的にはオリジナルのものと変わりません。 私の個人的な好みもあって小文字使用への変換、各サブルーチンの順序などの構成の変更、一部のラベル名の変更、空白行の多用やコメントの追加などがしてあります。
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基板の左上に乗っている丸いものはスピーカーで、手持ちに小さなものがあったので使用したのですが、これは失敗でした。 小さ過ぎるために音が割れてしまいます。
接着剤で固定をしたので取り外すことができないため、そのままにしてあります。 そのスピーカーの右横にある3P のピンヘッダは外付けのスピーカーとの切り替え用で、右写真のように上2端子をショートピンで短絡するとこの小さなスピーカーに接続され、外付けスピーカーを使用するときには 下2端子に接続をします。 |
| プリント基板パターン図 (部品面) (VoiceClockPC.CE3) | ページトップ |
| プリント基板パターン図 (ハンダ面) (VoiceClockPC1.CE3)
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(主要部品: IC, トランジスタ等) | (データシート) | ||
PICマイコン | .................... | PIC16F877A | |
I2C-EEPROM | .................... | AT24C1024 | |
低周波電力増幅IC | .................... | TA7368P | |
トランジスタ | .................... | 2SA950 |
| 部品表
| Excel ファイル (VoiceClock_parts.xls)
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音声告知クロック .....
http://www.zea.jp/audio/vck/vck_01.htm
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オリジナルでは 40 ピンの PIC16F877A を使用していますが、上の 回路図 に示すように使用をしていない空きピンの多さが、ずいぶんと目に留まります。
そこで、この無駄となるピンの数を極力減らすために、PICを 28 ピンの PIC16F873A に変更をして、このページの公開のために新しく作り直すことにしました。 なお、先の PIC16F877A 版ではプリント基板のままで、試作品扱いのようになってしまいましたが、この PIC16F873A 版ではケースにも収納して、実用性を高めてみました。 経過時計機能の追加 ( 2020/06/08 更新 ) ユーザがスイッチ操作をした時点を起点として、現在の時刻には関係なく、刻々と経過をして行く時間を音声で自動的に告て行く、という経過時計の機能を追加しました。 詳細は、機能と使用法(2) の 項末、および プログラム(2) の 項末 を参照してください。 |
デジタル信号からアナログ信号への変換用の R-2R ラダー抵抗を収容するためのポートとして、オリジナルの PIC16F877A 版ではポートDの8ビットすべてをまとめて使用をしていたのですが、
PIC16F873A 版では同一グループのポートで、8ビットをまとめて割り当てることができません。 それは、ポートBはスリープ状態のときにポートBの割り込み機能を契機として、スイッチ操作をさせるために必要となります。 ポートCの RC0:T1OSO、RC1:T1OSI には 32.768KHz のクリスタルを繋ぐために必須です。 また、ポートAにはもともと RA0 〜 RA5 の6個しかありません。 したがって、8ビットをまとめて割り当てるポートがないため、次の回路図に示すように RB0 〜 RB4 と RC5 〜 RC7 に分割をして割り当てました。 プログラムがほんの少し面倒になるだけです。 ポートBの割り込み機能については、オリジナルの PIC16F877A 版では、3つのスイッチ入力をダイオードでORをとって、"RB0/INT 外部割り込み" を起こさせています。 これに対して PIC16F873A 版では、3つのスイッチ入力を RB5 〜 RB7 に収容し、それぞれの "RB ポート変化割り込み" を起こさせます。 なお、この PIC16F873A 版では、内部プルアップ機能を ON にして 3つのスイッチの外付けのプルアップ抵抗を省き、また、割り込みタイプの変更でORをとる必要もなくなったため、ダイオードも必要がありません。 EEPROM と PIC 間の I2C 通信には、PIC16F873A 版でもオリジナルの PIC16F877A 版のままを引き継ぎ、ソフトウエアのみでおこなっていますが、PIC の MSSP モジュールを使う方法にも変更ができるように、 とりあえず RC3:SCL、RC4:SDA のピンを空けておきました。 また、R-2R ラダー抵抗には その後 Yahoo!オークションで入手した、専用の SIP 抵抗 があったので R 値は異なっていますがそれを使用しました。 省スペース化が期待できます。 PIC16F877A 版では "時"(H ADJ)、"分"(M ADJ) の設定用スイッチを押す毎にその値が +1ずつ更新されますが、プラス方向のみで使用していて不便さを感じたので、この PIC16F873A 版ではプラスマイナスの両方向に変更ができるように、 UP/DOWN スイッチを新たに追加をしました。 "時"、"分" スイッチを単独で押したときには従来通りですが、UP/DOWN スイッチを押しながら "時"、"分" スイッチを押したときには、押す毎にその値が −1ずつ更新されます。 なお、UP/DOWN スイッチはポートA(RA3)に 収容されているので、UP/DOWN スイッチだけを押したときには割り込みも何も起こりません。 <注> 上図の左下にあるLEDは、プログラムのデバッグ用に取り付けたもので、無くても一向に構いません。 現在は、4秒毎にタイマー1割り込みが起こったときなどに、瞬間点灯をするようにしてあります。 (詳細は、プログラム(2) の項を参照のこと。) |
| 回路図(2) (VoiceClockII.CE3) | ページトップ |
| ページトップ | ■ 機能と使用法(2) ■
| ページトップ | ■ プログラム(2) ■
| ページトップ | ■ プリント基板(2)パターン図 (部品面) ■
| プリント基板(2)パターン図 (部品面) (VoiceClockIIPC.CE3) | ページトップ | ■ プリント基板(2)パターン図 (ハンダ面) ■
| プリント基板(2)パターン図 (ハンダ面) (VoiceClockIIPC1.CE3) | ページトップ | ■ ケース加工図 ■
| ケース加工図 (VoiceClockIICS.CE3) | ページトップ | ■ 使用部品表(2) ■
| 部品表
| Excel ファイル (VoiceClock_parts.xls)
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初版:2008年5月8日、初公開:2020年1月12日、最終更新:2023年10月30日
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