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076. 白色LED点灯回路 (ELM版)
単4乾電池1本で白色LEDを点灯させる回路を、サイト "ELM" さんで紹介していたので、
私も製作をしてみました。
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先に製作をした 白色LED点灯回路 (秋月電子版) とは違い、ここではブロッキング発振回路* を使用して
高い電圧を発生させています。 肝となるのは発振コイルの自作で、私が行ったその作製方法も説明しています。
* 参考サイト の 「LEDを電池1本で光らせるコンバータ」 で、その原理が説明されています。
( 2015/9/20 追記 )
前作の (秋月電子版) と同様、この (ELM版) も紛失してしまって、初代のものは現在手元にありません。 しかたがないので、
こちらも新たに2代目を作製しました。
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■ 本機の特徴 ■
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- 単4乾電池1本で白色LEDを点灯。
- ストロボ用発振トランジスタとコイルを使用した、ブロッキング発振回路を使用。
- ショットキ整流ダイオードと平滑コンデンサで、入力より高い直流電圧を取り出し。
- 基板、電池両方を、単4 x 2本用スイッチ付きの電池ボックス内に収納したコンパクト設計。
- 超高輝度の白色LEDを使用した、直視できないほどの明るさ。
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■ 回路図 ■
| 回路図 (WhiteLed2.CE3) | ページトップ |
■ ケース内部の様子 ■
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■ プリント基板パターン図 (部品面) ■
| プリント基板パターン図 (部品面) (WhiteLed2PC.CE3)
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■ プリント基板パターン図 (ハンダ面) ■
| プリント基板パターン図 (ハンダ面) (WhiteLed2PC1.CE3)
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■ 発振用コイルの作製 ■
本機で肝となるのが発振コイルですが、そのための既製品はありません。 そこで自作することになるのですが、私は次に述べるような手順で作製をしました。
また、コイルを巻くための、ドラムコアだけの入手が意外と難しいため、既製のインダクタを改造して使用しています。
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(1) 改造前のインダクタ |
(2) 外皮の剥離途中の様子 |
(3) 剥離終了(右側) |
(4) 巻き線を撤去後の様子 |
(5) 取り出したドラムコア |
(6) 新たに巻き線後 拡大 |
- 上写真(1)のような、ラジアルリードタイプのインダクタで、TDK の 22μH1.3A (TSL0709S-220K1R3) を使用。 以前に"秋月電子通商"で購入したもの。
- まず、青色の外皮(ケース)で包まれている、中のドラムコアを取り出すために、青色の外皮を剥離する。 写真(2)はその剥離途中のもので、ニッパー等で外皮を壊して行く。
ドラムコアはフェライト製で脆いため、ニッパーの歯が強く当たらないように注意が必要。
- この青色の外皮はコアに強く張り付いているので、完全に取り除くことが難しいため、新たな巻き線をするのに邪魔にならない程度で可。 残った外皮の体裁を整えるため、
軽くやすり掛けを行った。 写真(3)は、剥離前(左側)と剥離後(右側)の比較。
- 次に、巻き線も不要なので、コアに巻かれている線を巻き戻して取り去る。 取り去った巻き線は本機では使用しない。
- 不要な外皮と巻き線を取り除き、ドラムコアだけを取り出した様子を写真(5)に示す。
- 写真(6)は次に述べる方法で、本機で必要な巻き線を施し完成した発振コイル。 巻き線にはΦ0.26 のウレタン線 (UEW) を使用。
- ドラムコアを上図のような位置において、図1のように上側のリードを巻き始めとして UEW の始端を巻き付け、赤矢印の方向にコアの右から左いっぱいまで巻いて行く。
- 左いっぱいまで来たら、今度は逆の左から右方向に折り返して、図1と図2を合わせ 20巻きなるまで続ける。 20巻きに達したら下側のリードを巻き終りとして
UEW を巻き付ける。
- 図2の巻き終りが次の巻き線の巻き始めとなり、図3のように図1と同じ要領で左いっぱいまで巻いて行く。 UEW を切断することなく一筆書きで行う。
- 図4では、図2と同様に左から右方向に折り返して、図3と図4を合わせ 20巻きなるまで続ける。 20巻きに達したら後は空きのリードがないため、
仮止めとして上下どちらかのリードに軽く巻き付けておく。
- 図1と図2、図3の巻き始め、巻き終りのリードの処理として、エナメル線のように皮膜を削らなくても、ウレタン皮膜は熱に弱いので数秒間はんだ鏝を当てていると、
そのままではんだ付けすることが可能。 また、ハンダ付けをする前には上写真(6)に示すように、プリント基板への実装を考えて、2本のリードを折り曲げておく。
- 高周波ワニスの持ち合わせがあったので、それを巻き線に浸み込ませて乾燥。 巻き線全体の接着固定とともに、リードのない図4の巻き終りの処理とした。
- 図5は、プリント基板パターン図 (部品面) の発振コイル部分を再掲したもので、図1から図4の実際のリード(各巻き線の巻き始め、巻き終り)との
対応を示す。
- ドラムコアの底(上図では右側の部分)には円周に沿って2か所の窪みがあって、そこから UEW の巻き始め、巻き終りを出し入れできるようになっている。 上図1〜4では
すべて同じ個所から出し入れをしているように見えるが、実際には、図1と図2では図と反対側(基板に装着した時に下側)から行い、また、図3と図4では図と同じ側
(基板に装着した時に上側)から行っている。
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■ 電池ケースの加工 ■
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- まず、赤、黒の両リード線を、下左写真(加工前)の位置から、穴から抜いて内側(左側)に取り出しておく。
- 次に、金具-1 を取り外す。 金具-1 にはリード線がなく、金具-2 と金具-3 が繋がった構造になっている。(以後 金具-1 は使用しない)
- さらに、金具-2(赤リード線)を外して、右写真(加工後)のように 金具-1 が入っていた上側の位置にはめ込む。
- 金具-3(黒リード線)はそのままの位置で、リード線だけを右写真のように、工程1で内側(左側)に位置させる。
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電池ケース(加工前) |
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(加工後) 金具-1 は不要 |
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金具-1 (リード線なし) |
金具-3 (黒リード), 金具-2 (赤リード) |
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金具-2 (赤リード) を移動 |
金具-3 (黒リード) はそのままの位置 |
( 補足 ) ( 2015/9/20 追記 )
今回使用した電池ケースは、"共立エレショップ" で購入したメーカ "COMF" の型番が "SBH-421-1AS" というものですが、"秋月電子通商" で販売されている同型番のものとは、
一部造りが異なっています。 (次の写真は "秋月電子通商" のホームページから無断で拝借しました。)
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"秋月電子通商" で販売の電池ケース |
赤黒のコードが外部に出ている電池ケースの右端の部分、すなわちスライドスイッチを固定している部分ですが、両者を比較してみると、熱で接着するための
"押さえ板?" のサイズ形状が大きく異なっているのが分かると思います。
今回のような電池ケースの加工をするに当たっては、"秋月電子通商"版では何の問題もなくできると思いますが、"共立エレショップ"版では上記説明の 金具-2 (赤リード線) を外すのに
少々困難が伴います。
そこで私が行った少々乱暴な方法を説明すると、まず、上写真で 金具-2 を正面に見て、その金具を固定している左右の爪状のモールド片の内、右側のものを根元から折って取り去ります。
そして次に、金具を先の細いラジオペンチ等で挟んで手前に強く引っ張れば、金具-2(赤リード線)を外すことができます。 その結果、金具は少々変形すると思いますがその修正は
それほど難しくはありません。
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■ 使用部品表 ■
(主要部品: IC, トランジスタ等) |
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(データシート) |
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トランジスタ |
.................... |
2SC3279 |
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ショットキダイオード |
.................... |
1S4 |
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超高輝度白色LEDΦ5 |
.................... |
OSWT5111A |
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インダクタ |
.................... |
TDK 22μH |
| 部品表
| Excel ファイル (WhiteLed2_parts.xls)
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■ 後記 ■
白色LED点灯回路 (秋月電子版) の 後記 で述べていますので、そちらを参照してください ( 2015/9/20 追記 )
■ 参考サイト ■
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初版:2006年12月8日、初公開:2015年9月20日、最終更新:2023年11月2日