| ホーム | 私の電子工作作品集 |
[ 初公開日:2014年4月25日 ] |
米GI社のLSI "AY-3-8500-1" を使用した、テニス、サッカー、スカッシュ、プラクティス、ライフル1、ライフル2の、6種類のゲームができるTVゲーム機です。 LSI自体は白黒用ですが、追加回路によってカラー化がしてあります。 | |||
残っていた資料等を見てみると、1977 年 6 月頃の製作になっていますから、実に、今から 37 年も前のことになります。 この頃、同種のTVゲームが国内中で爆発的に流行し、完成品はもちろんのこと、キットとしても各社から販売されていましたが、私は上記のLSIを "秋月電子通商(この頃はまだ前身の信越電機だった頃か?)" で購入し、参考書籍 等を手本としながら自作をしたものです。 現在のTV(コンピュータ)ゲームと比べてかなり単純ですが、それなりに楽しむことができます。 個人的にはテニスが一番好きでした。 オプション的な扱いであった ライフルも回路の追加でゲーム可能なようにしてあります。 ( しかし、今となってはライフル(鉄砲)自体がどこへ消えてしまったのか影もありません。 全長 1m 程の結構それらしいプラスチックのおもちゃで、引き金にマイクロスイッチを、銃身にはフォトセンサを仕掛けました。) 今回も、ホームページで公開するにあたって、このTVゲームの動作を確認してみたかったのですが、時代が大きく変わってしまって、今となっては 接続するテレビ環境がありません。 したがって、このページで紹介する写真はゲーム機本体に関わるもののみで、TV画面でのゲームの様子をお伝えすることは、 残念ながらできません。 |
*注. | 上写真(小さくて分かりづらい?)、またはケース本体の 上面および正面 写真を見ると、REMOTE スイッチ、LEFT、RIGHT コネクタ等が実装されていますが、 上回路図にはそれらが反映されていません。 これは上回路図中にある 2個の 1MΩのボリウム(左右のバット(パドル)の垂直位置を制御するためのもの)を、操作がしやすいように、 外部に用意したコードで延長した同様のボリウムに、切り替えられるようにしたものです。 |
| 回路図 (VideoGame1.CE3) | ページトップ |
この作品では、ゲーム画面をカラー化するために7個の C-MOS IC を使用していますが、実は専用のカラー化のための LSI があります。 |
上写真に示した GI 社の "AY-3-8515-1" がそれで、これを使用すればずいぶんと回路構成も簡単になったのですが、この作品を作製後に入手したもので、 結果的に使用されることはなく今でも手元に残っています。 |
| 回路図 (VideoGame2.CE3) | ページトップ |
| 回路図 (VideoGame3.CE3) | ページトップ |
| 回路図 (VideoGame4.CE3) | ページトップ |
|
| ページトップ |
|
| ページトップ |
今回はプリント基板の実装位置等の条件が比較的良かったので、基板4枚ともハンダ付けしてある箇所の配線を一時的に外して写真を撮りました。
*C1: 要調整 30p+30p+30p, *C2: 要調整 15p+20p+50pトリマ, *C3, *C4: バットの上下位置の調整 0.01μ+0.02μ |
*C1, *C2 部分の 取り付けの様子を 横(右写真の黄↓ 方向)から見た図 |
| プリント基板(1)パターン図 (部品面) (VideoGame1PC.CE3) | ページトップ |
基板には "S.52.6.23" と製作日が記されている |
| プリント基板(1)パターン図 (ハンダ面) (VideoGame1PC2.CE3) | ページトップ |
緑色ジャンパー線は、カラー・アダプタ回路図 内の右上表を参照 |
| プリント基板(2)パターン図 (部品面) (VideoGame2PC.CE3) | ページトップ |
同じく基板には "S.52.6.24" と製作日が記されている |
| プリント基板(2)パターン図 (ハンダ面) (VideoGame2PC2.CE3) | ページトップ |
2個の2KΩ抵抗は基板製作後に追加取り付けをした形跡が窺われる |
| プリント基板(3)パターン図 (部品面) (VideoGame3PC.CE3) | ページトップ |
| プリント基板(3)パターン図 (ハンダ面) (VideoGame3PC2.CE3) | ページトップ |
| プリント基板(4)パターン図 (部品面) (VideoGame4PC.CE3) | ページトップ |
| プリント基板(4)パターン図 (ハンダ面) (VideoGame4PC2.CE3) | ページトップ |
| パネルレイアウト Excelファイル (VideoGame.xls) | ページトップ |
パネル面は、穴加工の後インスタントレタリングで文字入れをし、レトラコートで軽く文字を定着させた後、最後に 2 mm 厚の透明なオレンジアクリル板を被せて 表面を保護しています。 |
| ページトップ |
使用したケースは、"リード" の "P-12" アルミケースです。 (図中の太線の○は現物合わせでの穴あけを要す)
|
| ケース加工図 (VideoGameCS.CE3) | ページトップ |
ケースの6つの各面を見た写真を撮り、上加工図のように並べてみました。
|
| ページトップ |
プリント基板の写真を撮るために、ハンダ付けしてある基板への配線を一時的に外したついでに、次のような基板を取り去った後のケース内の様子を撮りました。 これによって、プリント基板を如何にしてケース内に実装しているかがよく分かると思います。 まずL型アルミアングルをケース内に張り、そのL型アルミアングルに対してプリント基板を 固定しています。 また、ボリウム、スイッチ類の取り付けの様子も分かると思います。 |
|
| ページトップ |
(主要部品: IC, トランジスタ等) | (データシート) | ||
専用LSI | .................... | AY-3-8500-1 | |
C-MOS IC | .................... | MC14072B | |
C-MOS IC | .................... | MC14011B | |
C-MOS IC | .................... | MC14050B | |
C-MOS IC | .................... | MC14068B | |
C-MOS IC | .................... | MC14069B | |
C-MOS IC | .................... | MC14528B | |
トランジスタ | .................... | 2SC372 | |
トランジスタ | .................... | 2SC387A | |
トランジスタ | .................... | 2SC735 | |
ダイオード | .................... | 1N60 | |
ダイオード | .................... | 1S953 | |
ダイオード | .................... | 1S1588 |
| 部品表
| Excel ファイル (VideoGame_parts.xls)
| ページトップ |
もう1つTVゲーム機を簡単に紹介しておきましょう。 先に作製した "ビデオ・ゲーム・マシン" の作製結果に気を良くして、実は、続いて2作目のゲーム機を
作製したのです。 とは言っても、作製時期が 1979 年 9 月頃ですから、1作目から2年ほどが経過しています。 同様に米GI社の専用LSI "AY-3-8700-1" と、カラーコンバータ "AY-3-8615" を使用した、"戦車ゲーム" です。 |
|
私は電子回路の中で、高周波の取り扱いについては、どちらかと言うと不得手な部門で、写真のようにテレビに接続するためのインターフェースとして、
USA向けのRFモジュレータ("秋月電子通商"で販売していたもの)を使用しているのですが、その改造と調整には結構苦労をしたのを覚えています。 そして苦労をした割には、本機はゲームとして(少なくとも私には)面白く感じられませんでした。 前作のテニスゲームの方が、何倍も楽しかったと思います。 |
おまけのおまけ 次に示すLSIは、"カーレースゲーム" の "AY-3-8603-1" と、カラーコンバータの "AY-3-8615" です。 | |
また次のLSIは、"ブロック崩しゲーム" の "AY-3-8606-1" と、カラーコンバータの "AY-3-8615" です。 | |
これらのLSIは、ほぼ同時期頃に "秋月電子通商" で購入したものですが、2作目のゲーム機の失敗(がっかり)感から製作意欲がすっかり失われ、 ゲーム機としての形になることは永久になくなってしまいました。 ただ、LSIのコレクションとして、この先も私の部品箱で永遠に眠り続けることでしょう。 |
1.「GI社のLSI使用 製作が簡単 白黒用テレビゲームマシン」
雑誌名、発行年月不明 P.226-232 伊東新太郎氏
2.「自由に色を選べる カラー・アダプタ― 製作2題」
雑誌「初歩のラジオ」 発行年月不明 P.133-144 和田洋一氏
3.「GI社 専用LSI AY-3-8500-1」
雑誌「電子技術」 第18巻 第12号 P.44-47 阿部裕次氏
4.残っていた手書きの古い資料、 プリント基板パターン図
| ページトップ | ホーム |