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[ 初公開日:2014年2月1日 ] |
この常夜灯は私が作製したものではなく、数年前にどこか(たぶんユニー大曽根店のセリア)の 100均で購入したものです。 (以前の)我が家では、1階の廊下のある部分が陽が当たることはなく、いつも暗い場所があって何かと不便なため、そこで目印用に常時明りを灯しておくように、 この常夜灯を設置してありました。 常時点灯させてあるためにランプの劣化も早く、今までにも切れたランプの交換は何度もありました。 ところが今回は、ランプを交換しても直りません。 いつもとは異なった症状でした。 |
( 2010/09/23 ) またナツメ球が切れてしまいました。 そこでこの際、寿命の短いナツメ球の使用を止めて LED に変更し、 "LED 常夜灯" なるものを作製してみました。 |
プリント基板から回路図を 起こすと左図のようになる |
| 回路図 (NightLight.CE3) | ページトップ |
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まず、故障している常夜灯を分解してみましたが、もちろん回路図がないためよく分かりません。 この回路図がない状態と言うのは、
暗闇で目が見えずに手探り状態でいるのに似ています。 そこで実際のプリント基板から回路図を起こしてみました。 上図に記したように 回路図 に表すと、部品点数も少なくごく簡単なものです。 MCR100-6 と印字された TO-92 型で3本足の 小型トランジスタのような素子があります。 MCR100-6 って何だろう。 早速ネットで調べてみると、SCR(サイリスタ)であることが分かりました。 回路図から想像すると、このサイリスタに、何らかの原因で電流が流れない状態になっている−−−と考えられます。 CDSについては、型名や規格等の詳細は分かりませんが、光量によってそれなりに抵抗値が変化するので、これは問題はなさそうです。 次に 3.3MΩの カーボン抵抗をテスターで当たってみると、何と0Ω値を指します。 そんな馬鹿な・・・ テスターを疑ってデジタルテスターに変更して みてもやはり同じでした。 そこで、よくよくプリント基板を眺めてみると、下2番目写真のように ○ で囲んだ部分が、接触しているようです。 これは回路図で言うと、3.3MΩの カーボン抵抗の両端に当たります。 すなわち、言い方を変えると、サイリスタのG(ゲート)−A(アノード)間に当たります。 サイリスタのG(ゲート)−A(アノード)間がショートしていると言うことは、データシート を見れば分かるように、 ゲート逆電圧の最大定格が 5V となっているこのサイリスタには、ひとたまりもありません。 即死したことでしょう。 それでは何故、G(ゲート)−A(アノード)間がショートしているのでしょうか。 もう一度よくプリント基板を眺めてみると、下1番目写真から 分かるように、□ で囲んだハンダ跡の部分がどうも不自然です。 これはナツメ球の受け口金具のセンター側に通じていますが、現在のハンダ位置が不自然に 思われます。 もともと □ で囲んだ位置にあったものが、何かの原因で←方向に移動して現在の位置で止まったものと思われます。 これはその過程を目撃していたわけではないのであくまでも想像ですが、常時点灯している常夜灯では、ナツメ球がかなりの熱を発生しています。 このことは以前から感じていました。 四六時中点灯して熱を発生しているナツメ球から、その受け口金具に熱が伝わって、やがてあるときにその受け口金具を 固定しているハンダが溶け出したものと思われます。 固定が解かれた受け口金具は自分自身のバネの力で、いっきに←方向に移動したものと想像されます。 |
[ ハンダ面をいろいろな角度から見た様子 ] | ||||
□ の位置から ←方向に移動した | ○ の位置で接触している |
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この常夜灯は、もともと 100均で購入したものでもあるし、また新しいものを購入すればいいと思って、当初、修理するつもりは
まったくありませんでした。 ところが、100均を数店回ってみましたが、今ではどの店にも、同じものは置いてありませんでした。 また、どちらかと言うと特殊なデバイスと言える、サイリスタ MCR100-6 は ネットで調べてみると、国内で取り扱っている店舗はどうやらなさそうです。 他にもいろいろとネットで調べてみた結果、MCR100-6 に代替できそうなものに、東芝の SF0R5G43 がありましたが、これも"千石電商"が唯一取り扱って いるだけで他にはなさそうです。 しかも価格は1個 74円もします。 100均で購入したものを 74円(この他に送料が 890円必要)もかけて修理すべきか。 修理は断念せざるを得ませんでした。 かと言って今更新しいものを購入することもできない。 −−− しかし ・・・ 待てよ −−− この常夜灯にサイリスタが必要か? 光量による ON-OFF のコントロールが必要か? 真っ暗な場所に、常時点灯しておくことが目的な我が家において、 光量による ON-OFF のコントロールは、まったく必要がないではないか。 と言うことで、電子回路は一切取り去ることにしました。 この措置が修理と呼べるかどうかは別として、その回路図を一応次に示しておきます。 回路図のようにナツメ球周りの配線替えと、ナツメ球のセンター側の受け口金具を、本来の位置と思しき場所に移動しハンダ付けをし直しました。
その後、2009/10 になって秋月電子通商から、「高感度小型サイリスタ MCR22−8 600V1.5A(8個入) 1パック ¥200 」 と言うものが売り出されました。 とりあえず購入しておきました。 |
左からサイリスタ、CDSセル、カーボン抵抗 |
| 回路図 (NightLight2.CE3) |
電子回路を取り去ったところ | 配線替えとセンター側の受け口金具を本来位置へ取り付け | 部品面には何もない |
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データシート MCR100-6 .....
( 2014/01 現在、http://www.onsemi.jp/pub_link/Collateral/MCR100-D.PDF から入手が可能 ) ( 2018/2 現在リンク切れ)
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