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106. FET & CRD選別冶具

[ 初公開日:2015年5月31日 ]
 サイト "情熱の真空管" で紹介されていた、"FET & CRD選別冶具「やぐ」" を製作してみました。

 DC調整回路なしでJ-FET差動回路を組むために使用する、高精度の2SK30Aペアおよび2SK170ペアを選別するための簡単な測定器具です。


 この作品については、2007年9月頃に製作を計画していたのですが、実際にはなかなか手をつけることができず、完成までに約2年ほど掛かってしまいました。

■ 回路図 ■

| 回路図 (J-FET_Checker.CE3) | ページトップ |

■ 使用法 ■

  • 2つのトグルスイッチ SW1、SW2 を組み合わせることで、被測定FETのIdss、定電流特性(可変)、その時のバイアス(ゲート〜ソース間電圧)の3つが測定できる。

  • 現在、手持ちのデジタル・テスター(MASTECH M-830B)を、DC 2000mV レンジに合わせておき、本機の DC V 端子の+−間に接続をする。

  • 測定方法は、まず、下表 (1) のスイッチの組み合わせで、デジタル・テスターの測定電圧(mV) / 100 によって、被測定FETの Idss(mA) が測定できる。

  • 次に、下表 (2) のスイッチの組み合わせのときボリュームの調整により、被測定FETに流すドレイン電流 ( Id(mA) = 測定電圧(mV) / 100 ) *1 値を決めておく。

  • 続いて、下表 (3) のスイッチを組み合わせることで、その時の測定電圧(mV)が バイアス Vgs(mV) となる。

  • 連続して複数のFETの選別を行う時は、定電流特性を固定したまま、あとはひたすら被測定FETを取り替えつつバイアス値を読み取る。

  • SW1テスター位置SW2測定モード測定項目
    (1)100Ω両端電圧Idss(定電流回路OFF) 被測定FETの Idss(mA) = 測定電圧(mV) / 100
    (2)100Ω両端電圧バイアス(定電流回路ON) ドレイン電流 Id(mA) = 測定電圧(mV) / 100 *1
    (3)バイアス(ゲート〜ソース間電圧)バイアス(定電流回路ON) バイアス Vgs(mV) = 測定電圧(mV)

    *1 ドレイン電流 Id(mA) を、 2SK30A = 0.75mA, 2SK170 = 2mA になるように、ボリュームを調整する。

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■ ケース内部の様子 ■

当初、パネル面を写真右側の裏蓋側にしようと思っていた*2 のですが、見てのとおり突起物がたくさんあって邪魔になり、 面の周囲部分がパネルとして使用できないため、パネル面には不向きとしてあきらめました。

しかし、結果として写真左側の箱部分をパネル面としたことは、DCジャック等を含めて片側にすべての部品を 集中することができて、正解のようです。

*2 ケース箱側面が多少のテーパー状になっていて、写真右側の蓋パネル面の方が、写真左側の箱パネル面よりも 少しばかり大きい(面積が広い)ため。
裏蓋を外して真上方向から見たところ
左手前上方向から見たところ 右手前上方向から見たところ
手前上方向から見たところ 真上方向から見たところ 逆手前上方向から見たところ

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■ プリント基板(1)パターン図 (部品面) ■

| プリント基板(1)パターン図 (部品面) (J-FET_Checker1PC.CE3) | ページトップ |

■ プリント基板(1)パターン図 (ハンダ面) ■

被測定FETの取り付け用ソケットには、ラッピング用のSIP丸ピンICソケットを 3P に加工したものを、耐久性を考慮して2組用意しました。

| プリント基板(1)パターン図 (ハンダ面) (J-FET_Checker1PC1.CE3) | ページトップ |

■ プリント基板(2)パターン図 (部品面) ■

| プリント基板(2)パターン図 (部品面) (J-FET_Checker2PC.CE3) | ページトップ |

■ プリント基板(2)パターン図 (ハンダ面) ■

| プリント基板(2)パターン図 (ハンダ面) (J-FET_Checker2PC1.CE3) | ページトップ |


■ パネルレイアウト ■ ■ パネル (印刷用) ■

 パネル面は、Excel で作図、印刷したフィルムを貼り付け、その上を2mm厚の透明アクリル板で保護をしています。
     

| パネルレイアウト Excelファイル (J-FET_Checker.xls) | ページトップ |

■ ケース加工図 ■

 使用したケースは、"テイシン" の "TB-59" モールドケースです。

| ケース加工図 (J-FET_CheckerCS.CE3) |


パネル面(ケース上蓋)の穴加工 斜め上から見たところ 中板の穴加工

アルミ中板の穴加工のボリューム穴については、当初、写真右上のように単純に開けていたのですが、実際にすべての部品を取り付けて 組み立ててみると、ボリュームの取り付けのねじ部分が短くなって(アルミ中板 1.2mm + ケースパネル面 2.5mm + 透明アクリル板 2.0mm)、 ナットを締め付けることができない状態でした。

そこで、ボリュームとそのナットを締め付ける間の厚さを薄くするために、アルミ中板を抜いて ケースパネル面 + 透明アクリル板 だけにすることにしました。 そのために写真右下のような大きな穴をアルミ中板に開け、ナットの締め付けにアルミ中板が邪魔しないように変更しました。

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■ 使用部品表 ■

(主要部品: IC, トランジスタ等)

(データシート)
トランジスタ .................... 2SC945
ツェナダイオード .................... RD6.2EB
ダイオード .................... 1S1588

| 部品表 | Excel ファイル (J-FET_Checker_parts.xls) | ページトップ |

■ 参考サイト ■

FET & CRD選別冶具 .......... http://www.op316.com/tubes/toy-box/tester.htm
FET選別冶具 .......... http://www.geocities.jp/chako_ratta/micon/fet_select_jig.html

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初版:2007年9月24日、初公開:2015年5月31日、最終更新:2023年10月31日