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x03. インピーダンスブリッジ
この作品は、「トランジスタ技術」 誌 1978年 8月号の 「インピーダンスブリッジの製作」 で紹介されていたもので、ブリッジによって抵抗、容量、インダクタンスの測定ができる
万能型の測定器です。 しかし、現在では性能が良いデジタルマルチメータが、比較的安価に入手できる時代ですから、出番は殆んどなくなった過去の産物です。
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製作時期は 1979年 2月頃で、前出の "番外 x02. トランジスタ カーブトレーサ" より、ひと月ほど早い時期のものと思われます。
前面のパネルですが、当初はインスタントレタリングで文字入れをしていたのですが、2004年 7月頃に写真のようにパソコンで印刷したフィルムを張り付け、リニューアルしています。
また、何故かケースの天板、左右側板が紛失してなくなってしまいました。 |
■ 回路図 ■
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「トランジスタ技術」 誌 1978年 8月号から回路図を抜粋し、私が分かり易く書き換えたもので、"番外 x02. トランジスタ カーブトレーサ" 同様、
なにぶん古い雑誌なので今となっては極めて入手性が悪いため、無断で転載させていただきました。 |
| 回路図 (ImpedanceBridge.CE3) | ページトップ |
■ ケース外観と内部の様子 ■
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ケース外観 (正面側) |
ケース外観 (背面側) |
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天板、左右側板を外して真上から見たところ (拡大) |
裏面を真上から見たところ |
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正面側の斜め上から見たところ |
背面側の斜め上から見たところ |
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左側面の斜め上から見たところ |
右側面の斜め上から見たところ |
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■ ブリッジの種類と測定値の求め方 ■
次の基本形ブリッジに、ホイートストーン・ブリッジ、ウイーン・ブリッジ、マックスウェル・ブリッジ、それぞれのブリッジの素子の値を代入して解くことにより、
以下、それぞれのブリッジ回路図の右側の式が求められる。
ブリッジ回路の基本形

各測定レンジの換算係数
以下の各ブリッジ回路で、メータの振れがゼロまたは最小になったとき、すなわち平衡が取れたときの VR1調整抵抗のダイヤルの読みに、この表の係数を掛けると、
それぞれのブリッジによって、抵抗、容量、インダクタンスの値を得ることができる。 |
RANGE(R1) |
Rx(Ω) |
Cx(F) |
Lx(H) |
0.1 |
0.1 |
1000μ |
10μ |
1 |
1 |
100μ |
100μ |
10 |
10 |
10μ |
1 m |
100 |
100 |
1μ |
10 m |
1K |
1K |
0.1μ |
100 m |
10K |
10K |
0.01μ |
1 |
100K |
100K |
0.001μ |
10 |
1M |
1M |
100 p |
100 |
抵抗の測定 ……… ホイートストーン・ブリッジ |
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(手順)
・SELECTORスイッチを、R(抵抗)に合わせる。
・LEVELレベルは絞っておく。
・RANGEスイッチは、測定する値をカバーするレンジを選択する。
・レベルを徐々に上げながら、VR1調整抵抗をメータの振れがゼロまたは最小になるように調整する。
・メータの振れが最小になったときの VR1調整抵抗のダイヤルの読みに、上表の係数を掛けると抵抗値が得られる。
・交流信号を加えてゼロにならない場合は、直流電圧でメータをゼロに合わせ込むことが可能。
コンデンサ(容量、漏洩抵抗、損失率)の測定 ……… ウイーン・ブリッジ |
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(手順)
・SELECTORスイッチを、C(コンデンサ)に合わせる。
・LEVELレベルは絞っておく。
・RANGEスイッチは、測定する値をカバーするレンジを選択する。
・レベルを徐々に上げながら、VR1、VR2調整抵抗をメータの振れがゼロまたは最小になるように調整する。
・(漏洩抵抗の特に大きなもの以外は、VR2の値はほとんどゼロ付近になる。)
・メータの振れが最小になったときの VR1調整抵抗のダイヤルの読みに、上表の係数を掛けると容量値が得られる。
・ケミコンなどの極性のあるコンデンサでは、バイアス電圧(約-4V)を加えて測定する。
コイル(インダクタンス、直流抵抗、Q)の測定 ……… マックスウェル・ブリッジ |
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(手順)
・SELECTORスイッチを、L(コイル)に合わせる。
・LEVELレベルは絞っておく。
・RANGEスイッチは、測定する値をカバーするレンジを選択する。
・レベルを徐々に上げながら、VR1、VR2調整抵抗をメータの振れがゼロまたは最小になるように調整する。
・メータの振れが最小になったときの VR1調整抵抗のダイヤルの読みに、上表の係数を掛けるとインダクタンス値が得られる。
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■ プリント基板(1)パターン図 (部品面) ■
今回はプリント基板の実装位置等の条件が比較的良かったので、ハンダ付けしてある 18箇所の配線を一時的に外して写真を撮りました。
| プリント基板(1)パターン図 (部品面) (ImpedanceBridge1PC.CE3)
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■ プリント基板(1)パターン図 (ハンダ面) ■
| プリント基板(1)パターン図 (ハンダ面) (ImpedanceBridge1PC1.CE3)
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■ プリント基板(2)パターン図 (部品面) ■
| プリント基板(2)パターン図 (部品面) (ImpedanceBridge2PC.CE3)
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■ プリント基板(2)パターン図 (ハンダ面) ■
| プリント基板(2)パターン図 (ハンダ面) (ImpedanceBridge2PC1.CE3)
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プリント基板との配線を一時的に外して基板を取り出したついでに、電解コンデンサ5個を新しいものに交換しておきました。
コンデンサの新旧ではこんなにも大きさが異なっている。 左側(水色)は 35年以上も前のもの、右側(茶、黒色)は比較的最近のもの。
■ プリント基板(3)パターン図 (部品面) ■
| プリント基板(3)パターン図 (部品面) (ImpedanceBridge3PC.CE3)
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■ プリント基板(3)パターン図 (ハンダ面) ■
| プリント基板(3)パターン図 (ハンダ面) (ImpedanceBridge3PC1.CE3)
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■ プリント基板(4)パターン図 (部品面) ■
| プリント基板(4)パターン図 (部品面) (ImpedanceBridge4PC.CE3)
| ページトップ |
■ プリント基板(4)パターン図 (ハンダ面) ■
| プリント基板(4)パターン図 (ハンダ面) (ImpedanceBridge4PC1.CE3)
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■ パネルレイアウト ■
■ パネル (印刷用) ■
| パネルレイアウト Excelファイル (ImpedanceBridge.xls) | ページトップ |
パネル面は冒頭でも述べたように、1mm厚のアルミ板にパソコンで印刷したフィルムを張り付け、その上を2mm厚のアクリル板で保護をしています。
■ ケース加工図 ■
使用したケースは、メーカの既製品ではなく、断面が特殊な形をしたアルミアングル等を使用して、自作をしました。 (図中の太線の○は現物合わせを要す)
| ケース加工図 (ImpedanceBridgeCS.CE3) | ページトップ |
上記のケース加工図だけでは、具体的にどのように組み立ててあるかが分からないと思います。 次にいろいろな角度から見た写真を、何枚か示しておきますので、参考にしてみてください。
写真のような断面が特殊な形状のアルミアングルは、大昔、秋葉原で購入したもので、今となっては入手は困難と思われます。 |
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前面パネルから見て(以下同じ) 左側面 |
左後上角 |
左前上角 |
左後下角 |
■ 使用部品表 ■
(主要部品: IC, トランジスタ等) |
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(データシート) |
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オペアンプ |
.................... |
MC1458P1 |
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オペアンプ |
.................... |
741CP |
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三端子レギュレータ |
.................... |
MC78L15ACP |
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トランジスタ |
.................... |
2SA634 |
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トランジスタ |
.................... |
2SA733 |
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ダイオード |
.................... |
1S1588 |
| 部品表
| Excel ファイル (ImpedanceBridge_parts.xls)
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■ 参考書籍 ■
雑誌 「トランジスタ技術」 1978年 8月号 P.312-318 「インピーダンス・ブリッジの製作」 神崎康宏氏
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初版:2006年12月11日、初公開:2014年3月31日、最終更新:2023年11月4日