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[ 初公開日:2014年6月16日 ] |
前作 "053. 6桁ニキシー管時計" の失敗を踏まえて、この度7年越しに、ハードウエア的にもまったく新たに作り直して、 ニキシー管時計に再挑戦してみました。 |
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前作で失敗した電源部の高電圧DC−DCコンバータ回路については、"O-Family"
さんから、そっくりいただくことにしました。 そして、そのパターン設計についても "O-Family" さんから教えていただいたポイントを、そっくり盛り込みました。 その節はたいへんお世話になり、
本当にありがとうございました。 今回製作のニキシー管時計では、前作のようなアルミケースとディスプレイケースとを組み合わせることはやめて、ディスプレイケースのみにすべてを収納したシンプルな構成としました。 また、前作ではプリント基板を、表示部、制御部、電源部と3つに分けて製作をしたため、総合的に占める平面積が大きくなってしまったのですが、今回は制御部と電源部とを同一基板内に収め、かつ 電源部からACアダプタを押し出して外部供給とし、収納用のディスプレイケース内に収まるサイズとしました。 |
回路図の再検討と一部変更 電源部の高電圧DC−DCコンバータ回路については、上述のように "O-Family" さんから、そっくりいただくつもりだったのですが、私が使用したCDSの特性の違いもあってか、やはり私が希望する 高圧(170V 程度)は得られませんでした。 多少の改善は見られたものの、実際には MAX 150V 程でした。(前作では MAX 約130V 程度) そこで、上回路図に示すように、1KΩの半固定抵抗を 100KΩに変更をし、CDSは回路から撤去(図中の赤色X印)してしまいました。 その結果、この状態で MAX 180V 以上が出力されるようになり、 私としても十分満足が得られるようになりました。 100KΩの半固定抵抗、および、その前後の抵抗値を吟味することによって、もっと最適値になることと思いますが、完成しているプリント基板を、 必要以上にハンダの取り外しをしたくないため、以上の改善に止めました。 余談ですが、ユニバーサル・プリント基板は、手軽に使用できるために、私は最近(と言っても 10年以上になりますが)好んで使用するようになったのですが、ランドと基板との接着面積が極めて小さいために、 熱によって非常に剥がれ易い状態になります。 ハンダ付けをするときは通常殆んど問題はないのですが、部品を基板から外すときは細心の注意を払っても、時々ランドが剥がれてしまうことがあります。 したがって、手直しは極力避けたいといつも思っています。 半固定抵抗を高値に変更したために、ディマー回路はまったく機能しなくなったこともあって、CDSをこの電源回路から取り去りその代替として、上回路図の左上に示すように、PICのアナログ入力ポートに 新たなCDSによるディマー回路を接続して、従来どうりソフトウエア制御する方法に戻しました。 そして、高電圧DC−DCコンバータ回路の出力電圧は、上回路図では +170V と記されていますが、実際にはニキシー管の光り具合(輝度)から判断(ダイナミック点灯のため、プログラミングの仕方によって 輝度はかなり変化する)をして、現在、約 +160V に調整して使用をしています。 ちなみに、コイル 220μH の発熱や唸りの現象は、まったくありません。(前作では 特に発熱がひどかった) また、上回路図において、コロン(:)として使用している4つのLEDの電流制限用抵抗として、当初、それぞれのカソード側だけに 390Ωを直列に接続していたのですが、実際にプログラムで制御してみると、 高輝度LEDであることもあってニキシー管よりもかなり明るく点灯していたため、アノードコモン側にも 560Ωを入れました。 本来それぞれ4つの 390Ωをもっと高い値に変更すべきですが、 ここでも上記のように抵抗の取り外しを極力避けるために、安易な方法を採りました。 ニキシー管とLEDとの輝度的なバランスはほぼ良くなったのですが、今回使用したLEDは、数年前に "秋月電子通商" で購入した( 下記参照 )オレンジ色のLEDで、 両者の色合いの違いは微妙に異なっていて、これだけは何ともなりません。 |
| 回路図 (NixieTubeClockII.CE3) | ページトップ |
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現在の最新バージョン: Ver. 2.40 ( 2019/4/17 更新 ) |
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使用したプリント基板(1)は、"サンハヤト" の "ICB-97" ガラスエポキシ片面ユニバーサル基板です。
そのままではケース内に収まらないため、図のように上下の ----- 位置でカットして、適当なサイズに加工後使用しました。
上部中央やや右に位置する 16P DIP IC は、ニキシー管ドライバ用TTL"SN74141N" 相当のロシア製 TTL "К155ИД1 (K155ID1)" です。
| 部品配置図 (NixieTubeClockII_1PC2.CE3) | ページトップ |
使用したプリント基板(2)は、"秋月電子通商" の "New_Board 1L" (通販コード P-03250 ) ガラスエポキシ片面ユニバーサル基板です。
| 部品配置図 (NixieTubeClockII_2PC2.CE3) | ページトップ |
修正後の写真 参考 修正前の写真(拡大) |
| プリント基板(1)パターン図 (部品面) (NixieTubeClockII_1PC.CE3) | ページトップ |
修正後の写真 参考 修正前の写真(拡大) |
| プリント基板(1)パターン図 (ハンダ面) (NixieTubeClockII_1PC1.CE3) | ページトップ |
正面側 | 背面側 |
| プリント基板(2)パターン図 (部品面) (NixieTubeClockII_2PC.CE3) | ページトップ |
| プリント基板(2)パターン図 (ハンダ面) (NixieTubeClockII_2PC1.CE3) | ページトップ |
正面側 | 背面側 |
スイッチ部は、プリント基板(1)に実装されていますが、透明カバーを被せてしまうと操作ができなくなるため、もう1組追加してケースに収納後も 簡単に操作ができるようにしました。 ( プリント基板(3)の取り付け 参照 ) |
コネクタ, ケーブルを 取り付け前の様子 , 取り付け後の様子 |
| プリント基板(3)パターン図 (部品面) (NixieTubeClockII_3PC.CE3) | ページトップ |
コネクタ, ケーブルを 取り付け前の様子 , 取り付け後の様子 |
| プリント基板(3)パターン図 (ハンダ面) (NixieTubeClockII_3PC1.CE3)
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上述 したようにディマー回路を変更しましたが、プリント基板(1)には変更後の回路を乗せるスペースがないため、新たに小基板を
作製しました。 このプリント基板(4)には、プリント基板(1)と接続用のコネクタを裏面に配置するため、その取り付けに一工夫をしています。 右上の丸いものは、ディマー機能動作のためのCDSセル(CL703L)で、ジャンクを流用のためメーカー、詳細な定格等は不明です。 |
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| プリント基板(4)パターン図 (部品面) (NixieTubeClockII_4PC.CE3)
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| プリント基板(4)パターン図 (ハンダ面) (NixieTubeClockII_4PC1.CE3)
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"時" と "分"、"分" と "秒" との間の区切りとしてコロン(:)を表示したいのですが、ニキシー管ではありません。 たとえあったとしても
現在となっては入手できないのが実情です。 (私がコロン(:)に拘るのは、2つのコロンすなわち4個の点を、それぞれ個別にコントロールしたいためです。) そこでコロン(:)に見せかけた物を自作することになるのですが、ネットを検索しているとネオン管を使用したものをときどき見かけます。 しかし区切りにはなっていますが コロン(:)ではないのが大勢のようです。 私もネオン管は数十個の手持ちがありますが、今回使用したニキシー管にサイズ的に見合ったものはありません。 あれこれと考えたのですが、次の写真のようなLEDを使用することにし、そしてそのLEDの保持には、ピンヘッダを使用した空中配線としました。 ・ LED仕様: Agilent(Hewlett-Packard)、HSMV-A100、オレンジ、3228サイズチップ、("秋月電子" で購入) ・ ピンヘッダ仕様: HRS、型番不明、台座から上部分の実測ピン長さ16.5mm、(Yahoo!オークションで入手) もっと長いピンヘッダがあればいいのですが、写真のようなものしか手持ちにないため、これを使用することにしました。 まず 3P ずつに分割し、右写真のように 天地を逆にしたもの同士を真ん中でハンダで接続します。 次に2個のLEDをニキシー管の数字位置に見合った高さに配置してハンダ固定します。 そして正面に向かって 右端のピンを写真のように切断分離し、最後に切断した上部のピンと左端のピンを背面でジャンパします。 極性は両端がカソードで真ん中がアノードコモンです。 |
下段の 40P のピンヘッダは比較用のもので、私が通常 使用している "秋月電子" で購入のピン長さ6mmのもの |
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両基板の構造的な結合には、下写真のようなΦ3 x 20mm のジュラコンスペーサ("共立エレショップ" で購入)を4個使用し、ビスナット等で固定して
2階構造としました。 また、電気的な結合には、下写真のようなコネクタを使用しています。 プリント基板(2)側では、1列ピンヘッダと2列ピンヘッダ間を、ワイヤーラッピングで配線を行い、 そして、2列に変換したピンヘッダ(オス)を、プリント基板(1)側の2列ピンソケット(メス)と接続をします。 なお、1列ピンヘッダと2列ピンヘッダ間の 11本のワイヤーには、左右ともΦ2.0 の透明なチューブを被せて、各ワイヤがバラバラになるのを防ぐとともに補強を兼ねています。 |
1列ピンヘッダと2列ピンヘッダ間を、ワイヤーラッピングで配線をする | 基板(2)のピンヘッダ(オス)と、基板(1)のピンソケット(メス)とを接続する |
[ 特殊工具の紹介 ] | |||
左の写真は、手巻きのワイヤーラッピングをするための工具で、ワイヤーサイズ AWG#30(0.26mm) 専用のものです。 上写真のようなワイヤーを
ラッピング するためには必須で、無いとラッピングすることはできません。 上の長い方が今でも愛用しているもので、左側部分でラッピングをし、右側部分はアンラップをするときに使用します。 また、真ん中の部分がワイヤーの被覆を剥くためのストリッパーです。 大昔、"秋月電子" で購入しました。 下の短いものは、アンラップ専用の工具ですが、私はほとんど使用したことがありません。 |
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使用したケースは、今回新たに購入したものではなく数年前にどこか(セリア?)の 100均で購入したものの、使用しないでそのまましまってあった、"ディスプレイケースミニ 「和泉化成」" という、
スチロール樹脂ケースを使用しました。 (余談) ところがこのケース、"135. ハイブリッドAMスーパーラジオ" の製作で使用したケース、"コレクションボックスミニ 「ダイソー」" と どう見ても瓜二つです。 販売元、商品の名称は異なっていますが、材質、サイズ等はまったく同じで、やはり同じものではないでしょうか? |
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注. | 左側面図でΦ10 の○穴は、透明カバーに開けることを示す。 また、Φ2.6 タップとあるのは、透明カバーにはΦ2.8 の穴、台座には M2.6のタップを切ることを示す。 |
右側面図でΦ3.2 x 2、Φ4.5 x 4 の各○穴、および、2 x 4 の□穴は、透明カバーに開けることを示す。 また、Φ2.6 タップとあるのは、左側面図と同じ。 |
| ケース加工図 (NixieTubeClockII_CS.CE3) | ページトップ |
当初、台座の裏面が下写真のような構造(凸部分がある)になっていることなど、まったく知らず(気に留めず)に、プリント基板(1)に4つの固定用穴を開けてしまいました。 そしていざ、台座側にも穴を開ける段になって、プリント基板(1)を台座の中央に配置させると、下写真のように偶然にもぶつかりはしないものの、凸部分とはぎりぎりの位置で隣り合わせになってしまうことに 初めて気が付いたのです。 |
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使用したスチロール樹脂ケースの厚さが比較的薄く作製されているので、また、プラグの抜き差しに結構力が加わるため、DCジャックを 直接ケース側面に取り付けるには、強度的にかなりの不安を感じます。 そこで、下図のようなL型に曲げた取り付け用金具をアルミ板で作製し、それにDCジャックを取り付けています。 |
(参考図) DCジャック取り付け用金具 アルミ板(サイズ: 25 x 35 x 1 mm 厚)を左図のように、穴あけ加工後 …… 位置で内側に 90度折り曲げる。 使用したDCジャックは、"マル信無線電機" の "MJ−60" という、パネル取付用の2.1mm標準DCジャックで、"秋月電子" で取り扱いのもの。 Φ3.2 x 2 は、ケースの台座に固定する穴で、台座の裏面にも補強のために、アルミ板を挟んでビスで固定をした。 なお、最右下の写真で、透明カバーと台座の境目部分にビスの頭が写っているが、これは透明カバーを台座に固定するためのもので、左右側面に1対ずつ 透明カバーにはΦ2.8 の穴、台座には M2.6のタップが切ってある。 使用したこのディスプレイケースでは、台座の上に透明カバーが自重で乗っているだけという構造なので、ブカブカで不安定極まりないためビスで固定をした。 |
実際にケース内に取り付けた様子 |
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DCジャックの取り付けを、いろいろな方向、角度から見た様子 |
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上述 したように、スイッチ部はプリント基板(1)にも実装されていますが、透明カバーを被せてしまうと操作ができなくなってしまうため、
もう1組追加をしてケースに収納後も簡単に操作ができるようにしました。 左下図は上記 ケース加工図 の右側面図の一部で、必要部分だけを抜き出したもので、実際のプリント基板(3)の取り付けの様子を、右下写真に示します。 この基板では、スイッチを操作するのにそれほどの力が加わるものではないので、ケース右側面にスペーサを介してビスナットで固定をしました。 |
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(主要部品: IC, トランジスタ等) | (データシート) | ||
PICマイコン | .................... | PIC16F873A | |
オペアンプ | .................... | LMC662CN | |
高精度IC温度センサ | .................... | LM35DZ | |
DC-DC コンバータ | .................... | NJM2360AD | |
三端子レギュレータ | .................... | μPC78N05 | |
トランジスタ | .................... | 2SA1015 | |
トランジスタ | .................... | 2SC2551 | |
高耐圧 MOS FET トランジスタ | .................... | 2SK3234 | |
ダイオード | .................... | UF2010 | |
ダイオード | .................... | 1S1588 | |
超高精度クリスタルモジュール | .................... | KTXO-18S | |
フォトカプラ | .................... | TLP627-2 | |
TTL ニキシー管ドライバ | .................... | K155ID1 (К155ИД1), SN74141 | |
ニキシー管 | .................... | CD81 |
| 部品表
| Excel ファイル (NixieTubeClockII_parts.xls)
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6桁ニキシー管クロックの作成 | .......... | http://www.mars.dti.ne.jp/~ogura/e_hobby/nixie_clock.html |
【コラム】愉しみを数ボルト 第1回 ニキシー管って何だ | .......... | http://news.mynavi.jp/series/volt/001/ (現在リンク切れ) |
AVRマイコン ATmega88 + ニキシー管 デジタル時計 | .......... | http://www.ne.jp/asahi/shared/o-family/ElecRoom/DigClock/ATM88Nix/ATM88Nix.html |