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173. 6桁ニキシー管時計(改良版)

[ 初公開日:2014年6月16日 ]

 前作 "053. 6桁ニキシー管時計" の失敗を踏まえて、この度7年越しに、ハードウエア的にもまったく新たに作り直して、 ニキシー管時計に再挑戦してみました。

 前作で失敗した電源部の高電圧DC−DCコンバータ回路については、"O-Family" さんから、そっくりいただくことにしました。 そして、そのパターン設計についても "O-Family" さんから教えていただいたポイントを、そっくり盛り込みました。 その節はたいへんお世話になり、 本当にありがとうございました。

 今回製作のニキシー管時計では、前作のようなアルミケースとディスプレイケースとを組み合わせることはやめて、ディスプレイケースのみにすべてを収納したシンプルな構成としました。 また、前作ではプリント基板を、表示部、制御部、電源部と3つに分けて製作をしたため、総合的に占める平面積が大きくなってしまったのですが、今回は制御部と電源部とを同一基板内に収め、かつ 電源部からACアダプタを押し出して外部供給とし、収納用のディスプレイケース内に収まるサイズとしました。

■ 回路図 ■


回路図の再検討と一部変更

 電源部の高電圧DC−DCコンバータ回路については、上述のように "O-Family" さんから、そっくりいただくつもりだったのですが、私が使用したCDSの特性の違いもあってか、やはり私が希望する 高圧(170V 程度)は得られませんでした。 多少の改善は見られたものの、実際には MAX 150V 程でした。(前作では MAX 約130V 程度)

 そこで、上回路図に示すように、1KΩの半固定抵抗を 100KΩに変更をし、CDSは回路から撤去(図中の赤色X印)してしまいました。 その結果、この状態で MAX 180V 以上が出力されるようになり、 私としても十分満足が得られるようになりました。 100KΩの半固定抵抗、および、その前後の抵抗値を吟味することによって、もっと最適値になることと思いますが、完成しているプリント基板を、 必要以上にハンダの取り外しをしたくないため、以上の改善に止めました。

 余談ですが、ユニバーサル・プリント基板は、手軽に使用できるために、私は最近(と言っても 10年以上になりますが)好んで使用するようになったのですが、ランドと基板との接着面積が極めて小さいために、 熱によって非常に剥がれ易い状態になります。 ハンダ付けをするときは通常殆んど問題はないのですが、部品を基板から外すときは細心の注意を払っても、時々ランドが剥がれてしまうことがあります。 したがって、手直しは極力避けたいといつも思っています。

 半固定抵抗を高値に変更したために、ディマー回路はまったく機能しなくなったこともあって、CDSをこの電源回路から取り去りその代替として、上回路図の左上に示すように、PICのアナログ入力ポートに 新たなCDSによるディマー回路を接続して、従来どうりソフトウエア制御する方法に戻しました。

 そして、高電圧DC−DCコンバータ回路の出力電圧は、上回路図では +170V と記されていますが、実際にはニキシー管の光り具合(輝度)から判断(ダイナミック点灯のため、プログラミングの仕方によって 輝度はかなり変化する)をして、現在、約 +160V に調整して使用をしています。 ちなみに、コイル 220μH の発熱や唸りの現象は、まったくありません。(前作では 特に発熱がひどかった)

 また、上回路図において、コロン(:)として使用している4つのLEDの電流制限用抵抗として、当初、それぞれのカソード側だけに 390Ωを直列に接続していたのですが、実際にプログラムで制御してみると、 高輝度LEDであることもあってニキシー管よりもかなり明るく点灯していたため、アノードコモン側にも 560Ωを入れました。 本来それぞれ4つの 390Ωをもっと高い値に変更すべきですが、 ここでも上記のように抵抗の取り外しを極力避けるために、安易な方法を採りました。

 ニキシー管とLEDとの輝度的なバランスはほぼ良くなったのですが、今回使用したLEDは、数年前に "秋月電子通商" で購入した( 下記参照 )オレンジ色のLEDで、 両者の色合いの違いは微妙に異なっていて、これだけは何ともなりません。

| 回路図 (NixieTubeClockII.CE3) | ページトップ |

■ ケース外観と内部の様子 ■

正面(外観)から見たところ 背面(外観)から見たところ

カバーを外して真上から見たところ ( 拡大 裏面を見たところ

正面斜め上から見たところ 背面斜め上から見たところ

左側面斜め上から見たところ 右側面斜め上から見たところ 左側面(外観)から見たところ 右側面(外観)から見たところ

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■ 機能と使用法 ■

  • 本機の電源を投入すると、"ピポッ" と開始ブザー音を出力後、3秒間の空白を置いた後、9から0までの数字を1秒間ずつ降順に更新しながら、 ニキシー全管(6本)の 9〜0表示テストを計10秒間行う。

  • 次に、1秒間の空白を置いた後、プログラムのバージョン番号がニキシー管に約3秒間表示される。 その後、再び1秒間の空白を置いた後、 時計機能が開始され時間表示が行われる。
    		バージョン番号		 x.xx
          
  • 時計表示は12/24時間の両表示機能を持ち、12H / 24H SELECT スイッチによりいつでも切り替えることができる。 また、他に年月日の表示と気温の表示の機能を持っている。
    		時間表示		xx:xx:xx
    		年月日表示		xx.xx.xx
    		気温表示		   xx.x
          
    表示例
    時間表示 (06:14:28) 年月日表示 (2014.06.15) 気温表示 (23.8℃)

  • 12時間表示の場合、左列の :(コロン)の上側 LEDで AM を、また下側 LEDで PM を、1秒間隔で点滅を繰り返すことで、それぞれを表現している。
    					  ┌─ AM
    					  ↓
    		12時間表示		xx:xx:xx
    					  ↑
    					  └─ PM
          
  • 次に、12時間表示と24時間表示の対応を示す。 なお、どちらの場合でも 12時間表示の場合だけ 先頭の1桁目(左端)は、ゼロサプレスを行なって表示をする。
    		(24H)   0  1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 ┐
    		(12H)  12  1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12  1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11  │(←修正前)
    		       pm am am am am am am am am am am am am pm pm pm pm pm pm pm pm pm pm pm ┘
    
    		(24H)  00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 ┐
    		(12H)  12  1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12  1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11  │(←修正後)
    		       am am am am am am am am am am am am pm pm pm pm pm pm pm pm pm pm pm pm ┘
    		       ↑                                  ↑
    
        ( 2019/4/17 修正 )

        上記において、修正前では2つの↑位置の am / pm の表示が誤っていました。 作者の認識違いで、両位置のそれぞれが逆表示であったのを修正しました。 詳細は、別ページ "014. 7セグメントLED表示時計" の "12時間表示の扱いについて" の項を参照してください。

        またバグではありませんが、従来、12/24時間の両表示ともに先頭の1桁目(左端)は、ゼロサプレス表示を行っていたのを、12時間表示時だけに改め 24時間表示時には行わないように修正をしました。 作者の他デジタル時計との統一性と、12/24時間表示の区別の視認性を高めることを目的とします。


  • また、上記の時間、年月日、気温の3つの表示は MODE スイッチを押下することで自由に切り替わり、そのスイッチを押下ごとに、 時間表示、年月日表示、気温表示、オートモードに加えて、時報付の時間表示の順に5つのモードを繰り返す。
    		┌→ 時間表示 → 年月日表示 → 気温表示 → オートモード → 時間表示(時報付) ─┐
    		│                                      │
    		└──────────────────────────────────────┘
          
  • この時、MODE スイッチを何度も続けて押していると、現在のモードが何なのか分かり辛くなる時があるため、ニキシー管の各桁の Dp (デシマルポイント)でその時のモードを表示する。 (特に時間表示、オートモード、時間表示(時報付) の3つのモードでは、 ともに時間が表示されるので 区別が付けにくい)

  • すなわち、MODE スイッチを押した直後に、右から1〜5桁目のどれかのニキシー管の Dp が、数秒間だけ点灯する。 その後 Dp は消灯して 通常の状態に戻る。
    		右から1桁目の Dp が点灯 ← 時間表示
    		   2桁目の Dp が点灯 ← 年月日表示
    		   3桁目の Dp が点灯 ← 気温表示
    		   4桁目の Dp が点灯 ← オートモード
    		   5桁目の Dp が点灯 ← 時間表示(時報付)
    		   6桁目の Dp     ← (未使用)
          
  • オートモードでは、時間表示中に以下の振る舞いを行う。
          		毎05〜09秒と35〜39秒の間:	年月日表示
          		毎20〜24秒と50〜54秒の間:	気温表示
    
    		 (___: 時間表示、NNN: 年月日表示、KKK: 気温表示)
    
    		00        10        20        30        40        50        00
    		.    .    .    .    .    .    .    .    .    .    .    .    .
    		_____NNNNN__________KKKKK__________NNNNN__________KKKKK_____
          
  • 年月日、時分の設定変更は、上記5つのどのモード時でも可能で、PICにプログラムを書き込んだ直後の電源の投入時には、 14年09月01日、0時00分00秒(12時間表示の場合は PM 12時00分00秒) 14年09月01日、00時00分00秒(12時間表示の場合は AM 12時00分00秒)からスタートするので、 SET または BACK スイッチと、UP または DOWN スイッチによって適宜変更を行う。


  • このように、SET スイッチ等で年月日の設定変更を行うと、その値のバックアップがとられて次回(同一日であれば)に電源の投入をし直した時には、 その設定値で年月日、時分、および 00秒からスタートする。 また、年月日の設定変更を行なった場合ばかりでなく、 毎日日付が自動更新された時点でも、やはり同様に年月日、時分のバックアップがとられるため、次回に電源の投入をし直した時には、 そのバックアップ値で年月日、時分、および 00秒からスタートする。

  • SET スイッチは、押下するごとに年、月、日、時、分と次項目に移動するので、該当の項目を選択後 UP または DOWN スイッチによって値を設定する。 最後の分設定後にもう一度 SET スイッチを押下すると、 00秒から時計動作がスタートし、必ず時報なしの時間表示モードに戻る。

  • この SET スイッチによって項目を選択中に、誤って希望する項目を通り過ぎてしまったような場合に、BACK スイッチを 押下することによって、ひとつ前の項目に戻ることができる。 MODE / BACK スイッチは、年月日、時分の設定中には このような機能を有する。
    		               BACK   BACK   BACK   BACK
    		               ←─   ←─   ←─   ←─
    		           SET    SET    SET    SET    SET    SET
    		5つのどれかのモード ─→ 年 ─→ 月 ─→ 日 ─→ 時 ─→ 分 ─→ 時報なしの時間表示モード
    		             │               ↑
    		           BACK└───────────────┘
          
  • また、この時も選択された項目が分かり易いように、次のように表示される。
    	   (xx 選択項目、 __ 消灯桁)
    
    		xx.__.__	年が選択
    		__.xx.__	月が選択
    		__.__.xx	日が選択
    		xx:__:__	時が選択
    		__:xx:__	分が選択
          
    表示例
    年が選択 月が選択 日が選択
    時が選択 分が選択

  • SET スイッチによって項目の時/分を選択中で12時間表示の場合、左列の :(コロン)の上側 LED点灯 + 下側 LED消灯で AM を、 上側 LED消灯 + 下側 LED点灯で PM を、それぞれ表現している。 なお、この場合の先頭の1桁目(左端)のゼロサプレスは、 12/24時間表示のどちらの場合にも行なわない。

  • ZERO/DOWN スイッチは、年月日、時分の設定中は上記のように DOWN スイッチとして機能するが、それ以外では毎正時 プラス・マイナス5分以内に押されると 00分00秒に設定するための ZERO スイッチとして機能する。

  • 年月日カレンダー機能について、うるう年の計算は 2001年〜2399年までの範囲で対応している。 ただし、年の表示は 下2桁のみになる。

  • その他の機能として、周囲の明るさに応じてニキシー管の表示を減光するディマー機能を持ち、周囲が明るいときはニキシー管の表示も明るく、 周囲が暗くなるとニキシー管は暗く表示される。

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■ プログラム ■

  • 24→12時間表示に変換のプログラムバグを修正 ( 2014/08/26 更新 )

    前バージョン( Ver. 2.00 )にはバグがありました。 症状としては、24時間表示の場合には何ら問題はないのですが、 12時間表示にすると、午後の8時台と9時台の場合に限り HL桁のニキシー管表示が消えてしまう ――― と言うものです。 このページを公開した直後にそのことに気が付いたのですが、既に他のコンテンツに専念していて、結果として修正するまでに2か月もかかってしまいました。

    原因は、24時間表示を12時間表示に変換するサブルーチン(cnv_24to12)内にありました。 h'20' - h'12' = h'0e' となるべきところを、 h'20' - h'12' = h'08' となると、勝手に誤った解釈をしていたことにありました。 プログラム内では BCDコードとしてデータを扱っていますが、 減算命令(SUBWF等)を実行させると、当然ではありますがバイナリで計算をします。

    そこで、h'0e' → h'08' 、h'0f' → h'09' となるように両者の場合に限り、h'0e' - h'06' = h'08' 、h'0f' - h'06' = h'09' と補正をしました。

  • カレンダーデータのバックアップ機能を追加 ( 2014/09/05 更新 )

    "104. ドットマトリクス 5 x 7 2色 LED 表示時計" の "カレンダーデータのバックアップ機能の追加" で述べたまったく同じ理由から、この時計でもプログラム機能のバージョンアップを行ないました。

  • うるう年計算のプログラムバグを修正 ( 2014/10/15 更新 )

    前バージョン( Ver. 2.20 )までにはバグがありました。 このデジタル時計には年月日表示の機能があるのですが、その時のうるう年の計算に誤りがありました。

    そのため、平年とうるう年での2月の最終日の表示がでたらめで、平年なのに 29日表示をしたり、逆にうるう年なのに 28日で終わってしまったりで、まともな動作を していなかったのを修正しました。 詳細は、ソースファイル中の month_days サブルーチンを参照してください。

  • 12時間表示時の am / pm 表示の不具合とその他を修正 ( 2019/4/17 更新 )

    12時間表示時の am / pm LED表示に一部誤りがありました。 私の認識違いからその LED表示が妥当ではありませんでした。 詳細は、別ページ "014. 7セグメントLED表示時計" の "12時間表示の扱いについて" の項を参照願います。

    またバグではありませんが、従来までは、12/24時間の両表示とも先頭の1桁目(左端)を、ゼロサプレス表示を行っていましたが、今回からは、ゼロサプレス表示は12時間表示時のみで 24時間表示時には行わないように修正をしました。 私作の他のデジタル時計との統一性と、12/24時間表示の区別の視認性を高めることを目的とします。

現在の最新バージョン: Ver. 2.40  ( 2019/4/17 更新 )

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■ 部品配置図 ■

 使用したプリント基板(1)は、"サンハヤト" の "ICB-97" ガラスエポキシ片面ユニバーサル基板です。
 そのままではケース内に収まらないため、図のように上下の ----- 位置でカットして、適当なサイズに加工後使用しました。
 上部中央やや右に位置する 16P DIP IC は、ニキシー管ドライバ用TTL"SN74141N" 相当のロシア製 TTL "К155ИД1 (K155ID1)" です。

| 部品配置図 (NixieTubeClockII_1PC2.CE3) | ページトップ |


 使用したプリント基板(2)は、"秋月電子通商" の "New_Board 1L" (通販コード P-03250 ) ガラスエポキシ片面ユニバーサル基板です。

| 部品配置図 (NixieTubeClockII_2PC2.CE3) | ページトップ |

■ プリント基板(1)パターン図 (部品面) ■



修正後の写真     参考 修正前の写真(拡大)

| プリント基板(1)パターン図 (部品面) (NixieTubeClockII_1PC.CE3) | ページトップ |

■ プリント基板(1)パターン図 (ハンダ面) ■



修正後の写真     参考 修正前の写真(拡大)

| プリント基板(1)パターン図 (ハンダ面) (NixieTubeClockII_1PC1.CE3) | ページトップ |


正面側 背面側

■ プリント基板(2)パターン図 (部品面) ■

| プリント基板(2)パターン図 (部品面) (NixieTubeClockII_2PC.CE3) | ページトップ |

■ プリント基板(2)パターン図 (ハンダ面) ■

| プリント基板(2)パターン図 (ハンダ面) (NixieTubeClockII_2PC1.CE3) | ページトップ |


正面側 背面側

■ プリント基板(3)パターン図 (部品面) ■

 スイッチ部は、プリント基板(1)に実装されていますが、透明カバーを被せてしまうと操作ができなくなるため、もう1組追加してケースに収納後も 簡単に操作ができるようにしました。 ( プリント基板(3)の取り付け 参照 )




コネクタ, ケーブルを 取り付け前の様子 , 取り付け後の様子

| プリント基板(3)パターン図 (部品面) (NixieTubeClockII_3PC.CE3) | ページトップ |

■ プリント基板(3)パターン図 (ハンダ面) ■




コネクタ, ケーブルを 取り付け前の様子 , 取り付け後の様子

| プリント基板(3)パターン図 (ハンダ面) (NixieTubeClockII_3PC1.CE3) | ページトップ |

■ プリント基板(4)パターン図 (部品面) ■

 上述 したようにディマー回路を変更しましたが、プリント基板(1)には変更後の回路を乗せるスペースがないため、新たに小基板を 作製しました。 このプリント基板(4)には、プリント基板(1)と接続用のコネクタを裏面に配置するため、その取り付けに一工夫をしています。

 右上の丸いものは、ディマー機能動作のためのCDSセル(CL703L)で、ジャンクを流用のためメーカー、詳細な定格等は不明です。

      
   
真ん中に写っている3穴の小片を、ハンダ面を上にして接着する

| プリント基板(4)パターン図 (部品面) (NixieTubeClockII_4PC.CE3) | ページトップ |

■ プリント基板(4)パターン図 (ハンダ面) ■

| プリント基板(4)パターン図 (ハンダ面) (NixieTubeClockII_4PC1.CE3) | ページトップ |

■ プリント基板(2)用のコロン(:)の作製 ■

 "時" と "分"、"分" と "秒" との間の区切りとしてコロン(:)を表示したいのですが、ニキシー管ではありません。 たとえあったとしても 現在となっては入手できないのが実情です。 (私がコロン(:)に拘るのは、2つのコロンすなわち4個の点を、それぞれ個別にコントロールしたいためです。)

 そこでコロン(:)に見せかけた物を自作することになるのですが、ネットを検索しているとネオン管を使用したものをときどき見かけます。 しかし区切りにはなっていますが コロン(:)ではないのが大勢のようです。 私もネオン管は数十個の手持ちがありますが、今回使用したニキシー管にサイズ的に見合ったものはありません。

 あれこれと考えたのですが、次の写真のようなLEDを使用することにし、そしてそのLEDの保持には、ピンヘッダを使用した空中配線としました。

 ・ LED仕様: Agilent(Hewlett-Packard)、HSMV-A100、オレンジ、3228サイズチップ、("秋月電子" で購入)
 ・ ピンヘッダ仕様: HRS、型番不明、台座から上部分の実測ピン長さ16.5mm、(Yahoo!オークションで入手)

 もっと長いピンヘッダがあればいいのですが、写真のようなものしか手持ちにないため、これを使用することにしました。 まず 3P ずつに分割し、右写真のように 天地を逆にしたもの同士を真ん中でハンダで接続します。 次に2個のLEDをニキシー管の数字位置に見合った高さに配置してハンダ固定します。 そして正面に向かって 右端のピンを写真のように切断分離し、最後に切断した上部のピンと左端のピンを背面でジャンパします。 極性は両端がカソードで真ん中がアノードコモンです。



下段の 40P のピンヘッダは比較用のもので、私が通常
使用している "秋月電子" で購入のピン長さ6mmのもの

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■ プリント基板(1)とプリント基板(2)の結合 ■

 両基板の構造的な結合には、下写真のようなΦ3 x 20mm のジュラコンスペーサ("共立エレショップ" で購入)を4個使用し、ビスナット等で固定して 2階構造としました。

 また、電気的な結合には、下写真のようなコネクタを使用しています。 プリント基板(2)側では、1列ピンヘッダと2列ピンヘッダ間を、ワイヤーラッピングで配線を行い、 そして、2列に変換したピンヘッダ(オス)を、プリント基板(1)側の2列ピンソケット(メス)と接続をします。

 なお、1列ピンヘッダと2列ピンヘッダ間の 11本のワイヤーには、左右ともΦ2.0 の透明なチューブを被せて、各ワイヤがバラバラになるのを防ぐとともに補強を兼ねています。

1列ピンヘッダと2列ピンヘッダ間を、ワイヤーラッピングで配線をする 基板(2)のピンヘッダ(オス)と、基板(1)のピンソケット(メス)とを接続する

[ 特殊工具の紹介 ]
左の写真は、手巻きのワイヤーラッピングをするための工具で、ワイヤーサイズ AWG#30(0.26mm) 専用のものです。 上写真のようなワイヤーを ラッピング するためには必須で、無いとラッピングすることはできません。

上の長い方が今でも愛用しているもので、左側部分でラッピングをし、右側部分はアンラップをするときに使用します。 また、真ん中の部分がワイヤーの被覆を剥くためのストリッパーです。 大昔、"秋月電子" で購入しました。

下の短いものは、アンラップ専用の工具ですが、私はほとんど使用したことがありません。

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■ ケース加工図 ■

 使用したケースは、今回新たに購入したものではなく数年前にどこか(セリア?)の 100均で購入したものの、使用しないでそのまましまってあった、"ディスプレイケースミニ 「和泉化成」" という、 スチロール樹脂ケースを使用しました。

 (余談) ところがこのケース、"135. ハイブリッドAMスーパーラジオ" の製作で使用したケース、"コレクションボックスミニ 「ダイソー」" と どう見ても瓜二つです。 販売元、商品の名称は異なっていますが、材質、サイズ等はまったく同じで、やはり同じものではないでしょうか?


 注. 左側面図でΦ10 の○穴は、透明カバーに開けることを示す。 また、Φ2.6 タップとあるのは、透明カバーにはΦ2.8 の穴、台座には M2.6のタップを切ることを示す。
右側面図でΦ3.2 x 2、Φ4.5 x 4 の各○穴、および、2 x 4 の□穴は、透明カバーに開けることを示す。 また、Φ2.6 タップとあるのは、左側面図と同じ。

| ケース加工図 (NixieTubeClockII_CS.CE3) | ページトップ |

■ ケース台座の補強と足の取り付け ■

 当初、台座の裏面が下写真のような構造(凸部分がある)になっていることなど、まったく知らず(気に留めず)に、プリント基板(1)に4つの固定用穴を開けてしまいました。 そしていざ、台座側にも穴を開ける段になって、プリント基板(1)を台座の中央に配置させると、下写真のように偶然にもぶつかりはしないものの、凸部分とはぎりぎりの位置で隣り合わせになってしまうことに 初めて気が付いたのです。

(参考図)

Φ2.6 穴: プラスチック足の取り付け用
Φ3.2 穴: プリント基板(1)の固定用
(台座の裏面を見る。)

四隅に開けた黄色○で囲んだ穴がプリント基板(1)の固定用であるが、写真のように凸部分が隣り合わせにあり、 このままではビスナットの固定ができない。

そこで、上図のようなアルミ板(サイズ: 20 x 78 x 1 mm 厚)を2枚用意し、凸部分をアルミ板でカバーして平面化する。
(台座の上面を見る。)

また、圧電スピーカー、温度センサをこの台座裏面の空間部分に取り付けをするが、このままでは床面に置いたときに、 台座裏面の周囲の凸部分全体が床面に接触して空間部分が閉ざされてしまい、スピーカー、センサの機能が十分に発揮できなくなる。

そこで、4つの足を取り付けて台座を床面から浮かせ、空間部分が閉ざされてしまうのを防ぐ。 具体的には写真のように、アルミ板にプラスチック足を取り付ける。
なお、プラスチック足は "秋月電子" で取り扱いの(通販コード P-00298)を使用。
(台座の裏面を見る。)

プラスチック足を取り付けたアルミ板を左写真のような位置に配置し、プリント基板(1)の固定用のビスを、台座に開けた穴に挿入する。
(台座の上面を見る。)

4つのスペーサの上にプリント基板(1)を乗せ、ワッシャ、ナットで固定する。


ちなみに、これらの写真を撮った時点では、下記の「DCジャック取り付け用金具」を、取り付けるための穴をまだ開けておらず、写真に反映されていない。

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■ DCジャックの取り付け ■

 使用したスチロール樹脂ケースの厚さが比較的薄く作製されているので、また、プラグの抜き差しに結構力が加わるため、DCジャックを 直接ケース側面に取り付けるには、強度的にかなりの不安を感じます。 そこで、下図のようなL型に曲げた取り付け用金具をアルミ板で作製し、それにDCジャックを取り付けています。

(参考図)   DCジャック取り付け用金具

アルミ板(サイズ: 25 x 35 x 1 mm 厚)を左図のように、穴あけ加工後 …… 位置で内側に 90度折り曲げる。

使用したDCジャックは、"マル信無線電機" の "MJ−60" という、パネル取付用の2.1mm標準DCジャックで、"秋月電子" で取り扱いのもの。

Φ3.2 x 2 は、ケースの台座に固定する穴で、台座の裏面にも補強のために、アルミ板を挟んでビスで固定をした。

なお、最右下の写真で、透明カバーと台座の境目部分にビスの頭が写っているが、これは透明カバーを台座に固定するためのもので、左右側面に1対ずつ 透明カバーにはΦ2.8 の穴、台座には M2.6のタップが切ってある。

使用したこのディスプレイケースでは、台座の上に透明カバーが自重で乗っているだけという構造なので、ブカブカで不安定極まりないためビスで固定をした。


実際にケース内に取り付けた様子
DCジャックの取り付けを、いろいろな方向、角度から見た様子

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■ プリント基板(3)の取り付け ■

 上述 したように、スイッチ部はプリント基板(1)にも実装されていますが、透明カバーを被せてしまうと操作ができなくなってしまうため、 もう1組追加をしてケースに収納後も簡単に操作ができるようにしました。

 左下図は上記 ケース加工図 の右側面図の一部で、必要部分だけを抜き出したもので、実際のプリント基板(3)の取り付けの様子を、右下写真に示します。 この基板では、スイッチを操作するのにそれほどの力が加わるものではないので、ケース右側面にスペーサを介してビスナットで固定をしました。

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■ 使用部品表 ■

(主要部品: IC, トランジスタ等)

(データシート)
PICマイコン .................... PIC16F873A
オペアンプ .................... LMC662CN
高精度IC温度センサ .................... LM35DZ
DC-DC コンバータ .................... NJM2360AD
三端子レギュレータ .................... μPC78N05
トランジスタ .................... 2SA1015
トランジスタ .................... 2SC2551
高耐圧 MOS FET トランジスタ .................... 2SK3234
ダイオード .................... UF2010
ダイオード .................... 1S1588
超高精度クリスタルモジュール .................... KTXO-18S
フォトカプラ .................... TLP627-2
TTL ニキシー管ドライバ .................... K155ID1 (К155ИД1), SN74141
ニキシー管 .................... CD81

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■ 参考サイト ■

6桁ニキシー管クロックの作成 .......... http://www.mars.dti.ne.jp/~ogura/e_hobby/nixie_clock.html
【コラム】愉しみを数ボルト 第1回 ニキシー管って何だ .......... http://news.mynavi.jp/series/volt/001/ (現在リンク切れ)
AVRマイコン ATmega88 + ニキシー管 デジタル時計 .......... http://www.ne.jp/asahi/shared/o-family/ElecRoom/DigClock/ATM88Nix/ATM88Nix.html

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初版:2014年5月6日、初公開:2014年6月16日、最終更新:2023年10月30日